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現状は「死にに行け」 イラク特措法で現役自衛官(高知新聞)
http://www.asyura.com/0306/war37/msg/707.html
投稿者 生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党員 日時 2003 年 7 月 29 日 12:55:04:

高知新聞 2003年07月28日
http://www.kochinews.co.jp/0307/030728evening01.htm


現状は「死にに行け」 イラク特措法で現役自衛官

 26日成立したイラク復興支援特別措置法に関して、現役の男性自衛官が高知新聞社にコメントを寄せてくれた。「仕事なのだから、行けと言われれば行く」と断言する一方で、「現状では死にに行けと言われているようなもの」「政治家はアメリカとの関係が優先し、自衛隊員のことなど考えていない。アメリカの言うがまま、間違いなく危険地域へ行かされる」と複雑な胸中を吐露した。

 自衛官は電話で、名前や所属など本人と確認できる事柄を明らかにした。「ただし部隊名など一切、紙面には載せないと約束してほしい。コメントしたことが突き止められれば首になるかもしれないから」と前置きして話し始めた。

 「行けと言われれば行く。仕事なのだから。使命感もある。消防隊員が危険な火中に飛び込むのは、頭ではなく体がそうなっているからだと思う。われわれも同じ。危険時でも普通に体が動くよう訓練され、それで給料をもらっているのが自衛隊員なんです」

 イラク派遣には何の戸惑いもないかのような、しっかりとした声だ。「派遣に反対している隊員はほんの一部。あと反対するといえば家族。しかし多くの隊員が家族にも『仕事なんだ』と説明し、派遣に賛成していると思う」とも話す。

 その上で、「ただ、現状では死にに行けというようなものだ」と指摘する。

 「東ティモールのPKO(国連平和維持活動)は1999年から始まっているが、その時、自衛隊の派遣は治安が悪いと見送られた。派遣が実現したのは治安が安定した2002年。イラクの戦闘は当分続くだろう。『11月にも派遣』などと言われているが、もっと遅らせるべきだ」

 「しかし」と自衛官は続けた。「今回は安全な場所、後方支援では済まないと思う。アメリカは危険地域への派遣を望んでいる。小泉首相は5月に渡米した時、既に約束させられてきたのではないか」

 危険地域では「自衛隊は、たとえ武器を持っていても丸腰に等しい」という。

 国連はPKO参加部隊に自衛のほか、任務遂行を実力で妨害する者に対する武器使用を認めている。しかし自衛隊の武器使用基準は、「憲法が禁じる武力行使に当たらない範囲」として正当防衛と緊急避難に限定。威嚇射撃もできない。

 イラク特措法は「やむを得ない場合」「上官がその場にいる場合は、上官の命令による」などと武器使用を認めてはいるものの、使用基準の変更には触れていない。

 「武器使用基準は、誰かが殺されて初めて変わるのでしょうね」

 最後に「危険手当の意味合いが濃い特別手当があるんですが、以前のPKOより上がるんです」と教えてくれた。

 これまでカンボジア、ザイール(現コンゴ)派遣時に支払われた日額2万円が最高だったが防衛庁は今回、日額3万円程度にする方針と報道されている。また殉職時の賞じゅつ金(弔慰金)もこれまでの6000万円の2―3倍に引き上げるとも。

 「それだけ危険ということなんですよ」。最初のしっかりした口調とは打って変わったように、細い声でそう結んだ。

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