現在地 HOME > 掲示板 > 戦争37 > 541.html ★阿修羅♪ |
|
イラクの独裁者サダムの子息、ウダイとクサイがモースルで米軍によって殺害されたという情報が流れた。 この結果、問題はイラク国内がどう変わるのかということだ。
アメリカのブッシュ大統領と政府、イギリスのブレア首相と政府、イラン政府などはこぞってこの事態を歓迎し、イラクに安定と真の自由が実現すると期待しているようだ。
イラク国民の間では、サダムが子息二人に対し、決して同一の場所にいないよう厳命していたことから、二人が一緒に死んだことは信じられない、という意見もある。
また、アメリカ国内でイラク戦争と、その後の長期化しつつある軍の駐留に対する批判が出始め、ブッシュ大統領の支持率にかげりが見えてきた時期にこのニュースが流れたことから、あまりにもタイミングがよすぎる、造られた虚偽の情報だと受け止める人も少なくない。
そうした主張をする人たちは、アメリカとイギリスとの間にはウダイ、クサイについて生け捕ることが約束されていたということだが、アメリカ軍は結局殺害した。遺体の写真からはそれがウダイなのかクサイなのか全く別人なのか判断が出来ないと語る人もいる。
しかし、イギリスの著名な中東ジャーナリスト、ロバート・フィスクは、二人が死んだことはほぼ確実だ、とする意見を述べている。この彼の確信の裏には、彼独自のネットワーク、情報源があってのことだろう。
今回の死亡報道のなかで気を引いた一言は、元イラク情報相のサッハーフが語ったものだった。彼はアブダビ・テレビとのインタビューのなかで、「ウダイもクサイもイラク国民からは嫌われていた。しかも、彼らは軍を指揮していたわけではない。」と語っている。
この一言の裏には、「現在のイラク国内の反アメリカ抵抗闘争、テロ攻撃はウダイが指揮しているのでも、クサイが指揮しているのでもない。あくまでも国民主体なのだ。」ということだ。
従って、ウダイが殺害されようがクサイが死のうが、イラク国民のアメリカ軍に対する抵抗、テロは終わらない。それどころか、これから逆に激しいものになっていく可能性すらある、ということを語ったのではないか。
ウダイやクサイが生存していたのでは、イラク国民のアメリカ軍に対する抵抗運動の成果が、彼らによって将来、横取りされる可能性を否定できないからだ。
しかし、実際にこの二人が死亡したのであれば、サダム王国はサダムの死後はなくなる確立が非常に高くなり、イラク国民のための、全く新たな体制が誕生することを期待できるからだ。
そして、今回の殺害報道で忘れてならないのは、サダム自身の死亡はいまだに確認されていないということだ。
彼が存命である限り、二人の子息を失ったことで、アメリカ軍に対するサダムの復讐心は、何十倍にも膨れ上がっている可能性がある。
シーア派の幾つかのグループが、独自の抵抗運動組織を結成してもいる。シーア派ばかりではなく、スンニー派のなかにも反米抵抗組織は誕生してきている。
イラクのアメリカ軍に対する抵抗闘争は、これからが本番なのかもしれない。少なくともそう考えておいたほうがリスクを軽減できるのではないか。
これからイラクに派遣されるであろう自衛隊員は、そのことを頭に入れて考慮すべきであり、決して「イラク国内が安定化に向かっている、」などという幻想と希望を抱くべきではなかろう。
http://www.tkfd.or.jp/news/meast/1_20030725_1.shtml
◆米英もアフガニスタンと異なり激しい抵抗に戸惑っているようだ。
米国防副長官のウォルフォビッツも思わず弱音を吐いている。
現状ではとてもシリアやイランに戦線を拡大するどころではない。
この状態が続けばブレアやブッシュの政治生命も断たれるだろう。
ネオコンもおしまいだ。