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【モスル小倉孝保、斎藤義彦】フセイン元大統領の息子のウダイ氏(39)、クサイ氏(推定37歳)が殺害されたイラク北部モスルの現場を23日、見た。両氏が潜伏していた家は完全に破壊され、戦闘の激しさを物語っていた。現場の家からは数日前「数人の客人が去った」との住民の証言もあり、フセイン元大統領自身も潜伏し、逃亡した可能性がある。
2階建ての豪華な民家の壁はコンクリートがむき出しになり、窓ガラスは枠が変形するほど壊されていた。内部は黒こげで戦闘から1日経過後も煙が上がっていた。
周辺約100メートル四方は米軍が鉄条網を張って包囲。メディアの車両が多数集まり、物々しい空気に包まれていた。
住民によると、米兵は22日午前9時ごろ、数十台の装甲車で現場に到着。イラク人らしい男性がアラビア語で「降伏して出てくるように」と呼びかけ、家の所有者のナワフ・ゼイダン氏が出てきた。直後に銃撃戦が始まり、ヘリが現場に到着しミサイル数発を撃ち込み、民家は激しく炎上。戦闘が完全に終了したのは約4時間後だった。
米兵は死体を運び出し、ゼイダン氏を連行した。「何が起こったのか」との住民の呼びかけに、同氏は「ウダイとクサイが殺された」とだけ答え立ち去った。
ゼイダン氏はフセイン元大統領と同じブナーセル族の幹部とされる。近所の人の話では、20日ほど前から、ナンバープレートのない黒のベンツが止まるようになった。1週間ほど前に突然、2階の窓がコンクリートで塗り固められ、攻撃の2日前にはゼイダン氏が知り合いに「8人の客人を迎えたが、うち4人が去った」と話した。事情に詳しい住民(32)は「出て行った4人の中にフセイン元大統領がいたに違いない」とみる。
しかし、実際に「客人」の姿を見た者はおらず、土木作業員(23)は「(息子)2人がここにいて、死んだなんて信じられない。米軍が作ったデマだ」と涙ながらに話した。
ゼイダン氏の息子はイラク戦争前に「フセイン元大統領の親せきを名乗った」疑いで逮捕され、恩赦で釈放されたものの、多くの住民は同氏が反フセイン派だったとみる。
(2003年7月24日毎日新聞朝刊から)
http://www.mainichi.co.jp/news/article/200307/24m/061.html