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イラク派遣:米軍支援を再検討 防衛庁
防衛庁は22日、イラク復興特別措置法案に基づく陸上自衛隊のイラク派遣について、バグダッドでの給水・給油など米軍支援を中心に検討していた計画案をいったん白紙に戻し、イラク国民を対象とした人道復興支援を軸に検討し直す方針を決めた。米軍への襲撃が相次ぐ治安状況で、自衛隊が「米軍と一体」とみなされて攻撃対象となる危険を回避する狙いがある。また大量破壊兵器の未発見問題で「戦争の大義」が問われる中、米軍支援を優先させる姿勢は国民の理解を得にくいと判断した。
人道復興支援の具体策としては、比較的治安のいいイラク南部を派遣先とし、日本の政府開発援助(ODA)で建設された病院などで電力供給や給水活動を行う案が浮上。政府は同法案の成立を待って、今月末にも調査団を現地に送り、米英占領当局(CPA)や国連機関との調整を進めたい考えだ。ただ、バグダッド周辺の治安維持や武装勢力掃討に当たる米軍への後方支援を期待する米側が、反発する懸念もある。
同法案に盛り込まれた自衛隊の活動は(1)被災民救援などの人道復興支援活動(2)多国籍軍を後方支援する安全確保支援活動――の2本立て。政府は自衛隊派遣の目的を「イラク国民の復興支援のため」(小泉純一郎首相)と強調してきたが、実際には米軍との調整を優先。多国籍軍支援を目的に初めて他国領土に出動する陸自が、危険地域への派遣に慎重だったこともあり、米軍の厳重な警備に守られたバグダッド国際空港を拠点に、米軍などへの給水、航空自衛隊は兵員・物資の空輸を行う方向で検討してきた。
こういった姿勢は、同法案の国会審議で野党から「先に対米支援ありき」の批判を浴び、政府内にも「米軍と調整しているイメージが強すぎる」(首相官邸筋)と不満の声が出ていた。
[毎日新聞7月23日] ( 2003-07-23-03:00 )