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http://www.asahi.com/special/nuclear/TKY200307210227.html
北朝鮮が経済改革を始めてから1年余り。一部で増産の成果が伝えられるものの、モノ不足からインフレが深刻化している。北朝鮮は昨年、この改革に続いて日本との国交正常化交渉の再開に乗り出し、「改革と開放」を同時に進める狙いだったとみられる。ところが、核開発問題の浮上により外国物資の導入も滞り、経済改革に大きな影を落としているようだ。
北朝鮮の経済計画を担当する国家計画委員会のチェ・ホンギュ局長は昨年の実績について「石炭の増産で電力生産は対前年比129%、工業総生産額も112%に伸びた」と強調した。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙「朝鮮新報」との会見で語った。
だが、北朝鮮の産業動向を調査している韓国産業銀行は、経済全般の活性化にはつながっていないとみる。今回の改革はある程度の自由化を取り入れたとはいえ、社会主義の生産管理システムは変えていないからだ。
韓国の情報によると、北朝鮮のコメのヤミ市場価格は昨年7月に比べて4倍以上にも上昇するなど、一度は近づいた国定価格との差が再び開き始めている。モノやカネが農民市場に集まり、国営商店は空っぽということになれば、改革は失敗に終わりかねない。
北朝鮮は昨年9月に中国国境近くの新義州、11月には韓国に近い開城と金剛山を相次いで「経済特区」に指定した。9月17日には、平壌で日朝首脳会談を開き、国交正常化後に日本から受ける経済協力について話し合うことにした。
ところが10月の米朝協議で新たな核開発問題が明るみに出たため、この戦略は不発に終わった。米国をはじめとする対外関係の悪化により、外国企業との取引や国際支援も減少傾向にある。資金や物資の取り入れが進んでいないことが、改革に大きなブレーキとなっている。
注目されるのは、北朝鮮がそれでも今年に入って、改革をさらに進めようとしていることだ。国営朝鮮中央通信は6月10日の論評で、昨年7月の「経済管理改善措置」を初めて「改革」と呼んだ。「農民市場」は「総合市場」と名前を変え、農産物だけではなく、工業製品の取引も公式に認められている、と報じた。
北朝鮮の経済改革の成否を判断するにはまだ、早い。だが、90年代半ばの食糧危機の中から生まれた「市場」が今回の改革をもたらしたように、これからも「市場」の力が北朝鮮を変える原動力になるとみられる。
(07/22 00:40)