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【北京=竹腰雅彦】当地の外交筋によると、昨年7月以降、配給制見直しや給与・物価の大幅引き上げなど経済改革に着手している北朝鮮が、経済発展志向を明確に打ち出す憲法修正を検討していることが18日、明らかになった。金正日政権は、軍事をすべてに優先させる「先軍政治」路線を取っているが、深刻な経済難は金正日政権の基盤を脅かしかねず、北朝鮮当局は、限定的な改革と開放を進める決意を固めたものとみられる。
北朝鮮で憲法の修正権限を持つ最高人民会議(国会に相当)は近く、5年に1度の代議員選挙を行う予定だ。改選後の9月にも開かれる最高人民会議第11期第1回会議で、92、98年に続く憲法修正が行われるとみられる。
修正内容は、「社会主義経済発展のための計画経済」を強調する現行憲法に条文を追加し、一連の経済改革措置を法的に保証するものとなるという。長く続いてきた配給制度への依存から脱却するための「自力更生」方針なども盛り込まれる見込みだ。
外交筋は、憲法修正では、経済面での「実利追求」姿勢が全面的に打ち出されるとみている。改革が始まった昨年7月、地方視察した金正日総書記が「社会主義原則を確固として守りつつ、最大の実利を得ることが基本方向だ」と発言、「実利」が改革のキーワードとなっているからだ。
北朝鮮の経済改革はすでに、多岐にわたっている。
複数の中国筋によると、北朝鮮は今年3月までに、市民の物資調達を補完してきた闇市場や、農民市場を「市場」として公認したほか、最近、個人の商行為も原則的に認めた。これまで黙認してきた闇経済の管理に乗り出したものと言え、改革に伴う物価高騰などのひずみを調整する狙いがあるとみられている。
また、北朝鮮はこれまでに、食糧を除く生活必需品の配給制を廃止し、給与・物価体系の根本的な調整に乗り出している。財政負担軽減や、公定価格と市場価格の二重価格解消、労働意欲の刺激などが目的だ。
外資獲得による経済立て直しのため設置された新義州特別行政区は、一時計画が頓挫したが、最近改めて住人移動などの準備が再開されている。
北朝鮮では、慢性的な物資不足に加え、給料の遅配、都市と地方の格差拡大など、改革の過程で経済の混乱は拡大しているとされ、金正日政権は経済政策を優先せざるを得ない情勢になっている。
(2003/7/18/22:27 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030718id22.htm