現在地 HOME > 掲示板 > 戦争37 > 185.html ★阿修羅♪ |
|
asymmetrical warfare
非対称戦。戦力が甚だしく不均衡な状態で実施される戦闘。大量破壊兵器(生物化学)等を使用したテロ、ゲリラと、正規軍との戦い。
−−−−− −−−−− −−−−− −−−−−
最新鋭米軍に対する対抗戦略 (2001年9月21日)
http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/Readings/war.html#nakamura
元防衛研究所主任研究員の中村好寿の著書『軍事革命(RMA)――〈情報〉が戦争を変える』 (中公新書 1601、 2001.8) には最新鋭の米軍 (RMA軍) とそれに敵対する装備に劣る軍隊 (非対称軍) の戦闘に関して次のように書いてある:
非対称戦の特色
朝鮮戦争やインドシナ戦争、さらにはコソボ戦争の教訓から、将来、米国のRMA軍に敵対しようとする軍隊は、自らの軍隊の長所を確認したうえで、技術大国の弱みを見抜くことになるだろう。彼らの長所は、第一に、戦争を長期にわたって戦い抜くという強靭な意志であり、第二に、兵力数の圧倒的優位であり、第三に、土着性の強い戦法である。一方、米国のRMA軍が抱えている弱点は、第一に、戦闘による死傷者の発生や民間施設の破壊に対する極度の嫌悪感であり、第二に、国内および国際世論に対する敏感さであり、第三に、長期戦を戦う用意も意志もないことである。
したがって、米国のRMA軍に挑戦する地域大国の軍隊は、強靭な戦闘意志を有した大規模な地上軍をもって長期「消耗戦」を生起させ、米国兵士に出血を強いる戦いを展開するだろう。戦争の目標は、勝利ではなく、不敗である。……
……
したがって、米軍に残された方法は二つしかない。一つは、指揮・統制機能の無能化をあきらめて、一つの「拠点」防衛陣地に大量の火力を集中して、逐次、「拠点」を潰していく方法、すなわち、工業化時代の「消耗戦」に帰る方法である。
……しかし、火力による麻痺効果は長続きするものではない。火力による打撃が終われば地下壕から這い出し、米軍の火力打撃に続く歩兵や戦車による攻撃に対処することができる。
麻痺させることを狙って、長期間「もぐらたたきゲーム」のように何度も火力打撃を繰り返していると、強靭な戦闘意志を有する「非対称軍」は火力打撃に慣れてきて、機動部隊の攻撃を効果的に撃退できるようになるにちがいない。朝鮮戦争、インドシナ戦争、そしてコソボ戦争はまさにそうであった。
一方、集中打撃を受けていない「拠点」防衛陣地の「非対称軍」は、好機到来とばかりに、「拠点」防衛陣地を出て、攻撃行動に出るだろう。米軍に出血を強いるとともに、集中攻撃を受けている部隊に対する米軍の圧力を減少させるためである。
(中村好寿『軍事革命(RMA)』154-159頁より、強調は引用者による)
中村は米軍に残されたもう一つの方法として「同時打撃」による敵の「封じ込め」を挙げているが、国際テロリスト集団に対してそれは可能だろうか?