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【ワシントン=菱沼隆雄】ブッシュ米大統領は14日、イラクのウラン購入計画疑惑に関する偽情報問題について、対イラク開戦の判断に間違いはなかったと主張した。ただ、同問題は、イラク駐留米軍の犠牲者増や復興経費問題などと絡み合い、政権への不信感を増幅させる要因となっている。
ワシントン・ポストとABCテレビが同日公表した合同世論調査によると、大統領支持率は59%で、2001年の同時テロ発生直前と同レベルにまで低下した。
ブッシュ大統領は同日、国連のアナン事務総長と会談した後の記者会見で、「フセイン(元イラク大統領)は大量破壊兵器を開発しており、米国は(対イラク開戦という)正しい判断をしたと今でも確信している」と述べた。今年1月の一般教書演説で、イラクのウラン購入計画疑惑に言及したことについては、「りっぱな情報に基づいている」と語った。
同問題を巡っては、ライス大統領補佐官が10日、「偽情報に基づくものだった」ことを認めたため、「ブッシュ政権は開戦を前提にイラクの脅威を誇張した」との批判が高まっていた。
14日は、ブッシュ大統領に加え、フライシャー大統領報道官も、「ウランを購入しようとしたかどうかは開戦を決断した核心部分ではない」と反論。ラムズフェルド国防長官は13日、「(米政府が確認していないものを)大統領演説に盛り込むべきではなかったが、(発言は)間違いではない」などと弁明に躍起になっている。
米国民はフセイン独裁政権を倒した戦争のミッションにはおおむね支持を与えており、米政権側は当初、「偽情報問題は、大きな問題にならない」と読んでいたフシがある。
ただ、ブッシュ大統領が大規模戦闘の終結を宣言した後の駐留米軍兵士犠牲者数は32人に達し、同世論調査では、52%が「容認できないレベル」と回答している。駐留期間も「2年か4年かわからない」(フランクス前中央軍司令官)など長期化が避けられない見通しだ。さらに、1か月当たりの復興経費は約40億ドルと当初見通しの2倍となり、議会や国民の間に「連鎖反応的に不信感が広がりつつある状態」(外交筋)だ。偽情報問題は孤立した問題ではなくなった。
民主党の大統領候補も一斉にかみつき、米中央情報局(CIA)のテネット長官は、16日に米上院の情報特別委員会の公聴会で証言することになった。
同世論調査によると、大統領の支持率は、バグダッドが陥落した直後の75%から6月中旬には67%に低下。今は同時テロ直前の57%に近づいている。15日付のワシントン・ポスト紙は「来年の大統領選でブッシュが敗れるようなことがあれば、(ライス補佐官が偽情報問題を認めた)7月10日は初めて敗北の影がよぎった日として振り返られるだろう」と伝えた。
(2003/7/15/23:24 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030715i216.htm