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7月15日付・読売社説(1)
[「北」核再処理]「“挑発”には更なる圧力で対応せよ」
北朝鮮の核兵器開発を裏付ける新たな“証拠”である。北朝鮮が最近、使用済み核燃料を再処理したことを、米政府筋が確認した。
北朝鮮の核施設付近で採集された大気から、クリプトン85という放射性物質が初めて検出されたという。核兵器製造につながるプルトニウムを生産していることを意味するものだ。
北朝鮮が核施設の再稼働を宣言してから、半年以上が経過した。すでに核兵器の製造にこぎつけたのかどうか。否定する材料がない以上、国際社会は、最悪の事態に備えた対応をとるべきだ。
北朝鮮はイラク戦争後、「強大な軍事的抑止力を備えてこそ、戦争を防止できる」と主張し、核開発の“正当性”を強弁してきた。とんでもない論法だ。北朝鮮の核武装は平和を遠ざけるだけだ。
北朝鮮は、検証可能かつ不可逆的な形での、核開発計画の全面的な放棄を、約束しなければならない。米中に日韓を加えた多国間協議に応じることが、そのための第一歩である。それが、平和的解決につながる唯一の道だ。
米国は、国連安全保障理事会に、北朝鮮の核開発を非難する議長声明案を提出ずみだ。中露も、いつまでも慎重な姿勢をとり続けるわけにもいくまい。声明の採択をテコにして、北朝鮮に多国間協議を受け入れさせるべきである。
北朝鮮は、運転を再開した原子炉よりも大型の原子炉二基の建設を、中断している。「建設再開」の情報も韓国では流れているが、完成すれば、年間数十発の核兵器の量産体制ができあがる。
国際社会は、北朝鮮に核を保有させるわけにはいかない。北朝鮮による危険な核の開発と拡散を阻止するため、あらゆる手段を尽くさなければならない。
朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)は、軽水炉の建設停止に踏み切るべきだ。米朝合意を無視して核開発を続ける北朝鮮に、見返りを与えることは論外である。
北朝鮮への国際包囲網をさらに強化するうえで、核やミサイルの開発につながる資金源を断つことも重要だ。
この点で、日本の役割は大きい。日本は、ミサイル関連部品など不正取引の摘発や、麻薬・覚せい剤や偽造紙幣の取り締まりを、一層強化すべきだ。運搬手段となる万景峰号など日本に入港する北朝鮮船舶への警戒も怠るべきではない。
使用済み核燃料の再処理を確認次第、直ちに発動できるよう、日本が独自に貿易・送金を停止できる体制を整えておく必要もある。更なる圧力なしに、北朝鮮の行動を改めさせることはできない。
(2003/7/14/22:36 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20030714ig90.htm