現在地 HOME > 掲示板 > 戦争36 > 863.html ★阿修羅♪ |
|
【ワシントン中島哲夫】ブッシュ米政権は現在、「レッドライン」(越えてはならない一線)を明確に設定していない。このため、今回の事態に対応するとしても、当面は朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)による軽水炉提供事業の停止や国連安保理での北朝鮮非難の議長声明採択の推進などになる可能性が強い。だが仮に北朝鮮が核実験を行えば、韓国が反対しても経済制裁や海上封鎖など強硬手段を取るだろうと米政権関係者は言う。
北朝鮮は94年の米朝枠組み合意により自前の核開発を凍結した段階で、原爆1、2個分のプルトニウムを保有しているとみられていた。だが核実験を行えば多くのプルトニウムが失われる。再処理で大量のプルトニウムを確保できれば、実験は行いやすくなる。
ブッシュ大統領は北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記による独裁体制の崩壊を望んでいるとの見方が支配的だ。当面は戦争という選択肢はないが、北朝鮮の核大国化を座視するつもりもない。
米政府が「平和的、外交的な解決」を主張し、日韓も参加する多国間協議を支持しているのは、北朝鮮を孤立させ、核開発を放棄するしかない状況に追い込むためだ。再処理開始が事実でも、北朝鮮が「5者協議」に応じるなら米国は参加するだろう。
だが核実験という深刻な事態が発生すれば、より強硬な手段を選べる。さらに深刻化した場合に備えて、ブッシュ政権は武力行使の選択肢も完全排除はしていない。政権内強硬派の間では、強硬策が許される状況が訪れるまで放置しようという意見も強い。
[毎日新聞7月13日] ( 2003-07-13-00:11 )