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自衛隊海外派遣の「恒久法」制定検討 民間活動も対象に
政府は10日、自衛隊の多国籍軍支援を可能にする「恒久法」を制定する方針を決めた。福田官房長官は同日、今後、半年程度をかけて大綱をつくる考えを表明した。政府は、自衛隊に限らず公務員や民間人の活動も含めた包括的な国際貢献のための法律にしたい考え。早ければ来年の通常国会への法案提出をめざし、今国会閉会後に準備室を作って本格検討に入る。
福田長官は10日の参院外交防衛委員会で、恒久法の制定について「日本が国際社会で生きていくために、どうしてもしていかなければならない」と強調。「自衛隊だけでなく、地方公務員にも民間にもお願いする。相当大きな法律になる」と語った。
こうした考えの下敷きになっているのが、福田長官の私的諮問機関「国際平和協力懇談会」(座長=明石康・元国連事務次長)が昨年12月に出した報告書だ。
報告書は「国連を中心とする伝統的な平和維持活動だけでは、平和と安全を十分維持できない」と指摘。紛争再発を防ぐ支援や復興支援、治安の確保などに「迅速で柔軟な参加が必要」として、「多国籍軍への協力についての法整備の検討の開始」を求めた。
政府はこれまで、92年に制定された国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、自衛隊のPKO派遣を重ねてきた。一方で、多国籍軍への支援については01年の米国の同時多発テロを受けたテロ特措法、今回のイラク復興支援特措法案と、新たな事態が起きるたび時限立法で対応してきた。
こうした対応に、与野党を通じて「場当たり的だ」との指摘が強まり、自民党総務会はイラク特措法案了承の条件として「恒久法の早期整備」を求めた。
恒久法ができれば、PKOが展開されない紛争地域にも、機動的な自衛隊派遣が可能になる。
半面、派遣に際して特措法案の審議という「国会の関与」の機会が失われる。また、今回のイラク特措法案の国会審議で政府は、戦闘地域と非戦闘地域の線引きなどをめぐってあいまいな答弁を繰り返し、▽要員を派遣する地域の安全性をどう担保するか▽自衛隊の活動が集団的自衛権の行使につながらないことをどう担保するか、など多くの問題で論議が不十分なままだ。武器使用基準をどう定めるかも含め、恒久法ではこうした論点について法案にどう盛り込むか、本格的な検討が求められる。
政府はイラク特措法案の成立後、恒久法制定作業に入る方針。政府は来年の通常国会では、有事3法で積み残しになっている国民保護法制関連法案の提出、審議を優先する方針で、同法案の審議状況をにらみながら、恒久法の法案提出時期を探ることになりそうだ。 (07/11 01:14)
http://www.asahi.com/politics/update/0711/001.html