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「奪還」に必要なら武器使用も イラク派遣で防衛庁長官
石破防衛庁長官は9日、イラク復興支援特別措置法案に基づいて派遣した自衛官が武装勢力などに連れ去られた場合の対応について「拉致された人間の捜索はできる。そこで実際に自己を守る必要があれば、(正当防衛などを認めた)法案17条による武器使用権限が生じる」と述べた。イラク特措法案をめぐる参院連合審査会の審議で、民主党の木俣佳丈氏の質問に答えた。
政府はこれまで拉致された自衛官の「奪還」のための武器使用は憲法との関係上出来ないとの解釈に立ってきており、石破氏の発言は「捜索」の場合は武器使用が出来るとの考えに踏み込んだものだ。ただ奪還と捜索の区別はあいまいで、憲法との関係で今後、論議の焦点となりそうだ。
石破氏は9日の質疑で「奪還ではなく、捜索には行ける。そうでなければ組織として成り立たない」と強調。奪還目的ではなく、捜索活動の一環として相手に近づいた結果、攻撃を受けるなどの危険が生じる場合は武器使用が可能との考えを示した。
従来の政府見解は「武器を使って(拉致された隊員を)救い出す行為は、武器使用を自己または自己とともに現場に所在する隊員の防衛に限定している趣旨から、行えない」(88年当時の政府答弁)というもの。今回の法案審議でも「奪還作戦」での武器使用は憲法に抵触する可能性が高く、他国部隊などに救援を要請すると説明してきた。
(07/09 20:12)
http://www.asahi.com/politics/update/0709/011.html