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社説
(2003/7/9)
『北の核』へ有効な手を
北朝鮮の核開発問題を話し合いだけで解決するのは極めて難しい。中韓両国の首脳は、その困難を克服して、東アジアの平和と安定を実現できるだろうか。北朝鮮を間に挟む両国の責任は重い。
■中韓首脳会談
「北朝鮮の核問題は、対話を通じて平和的に解決することで認識が一致した」
中国の胡錦濤国家主席は、韓国の盧武鉉大統領との初の首脳会談で、あらためて対話による解決の重要性を強調した。
ことし就任したばかりの両首脳は、ともに「新世代」を自称し、東アジアの新しい秩序づくりにも使命感を持っている。
ただ、両国は北朝鮮に隣接し、大量破壊兵器の開発・配備だけでなく暴発など緊張激化の影響をまともに受ける位置にある。このため、北朝鮮の核開発についても経済制裁などの強硬手段や圧力ではなく、平和的解決を主張してきた。
これに対して、日米両国は北朝鮮に核放棄を迫るには「圧力と対話」の使い分けが必要との認識を強くしている。実際に繰り返される北朝鮮の瀬戸際外交をみると、話し合い解決には限界がある。
そうした中で、中韓両国は対話解決を再確認した。問題は北朝鮮の核阻止のために具体的な進展を得られるかどうかだ。
対話姿勢が、北朝鮮の核開発のための時間稼ぎになってはならない。中韓両国はよく認識すべきだ。
盧大統領は会談で「中国は核問題解決に向けて引き続き積極的な役割を果たしてほしい」と要請した。
中国は、北朝鮮の秘密裏の核開発に強い不快感を持ち、このところ積極的に関与する姿勢に変わった。まずは、北朝鮮を早急に話し合いのテーブルに着かせることだ。
四月に米朝中の三カ国協議が行われたが、その後は進展がない。さらに日米韓は日韓を加えた多国間協議を望んでいる。北朝鮮の核問題は、地域の安全保障に密接に結びついている。周辺国が新たな枠組みづくりに参画するのは当然のことだ。ここは中国の説得力に期待したい。
もちろん同じ民族である韓国の役割も大きい。盧大統領は金大中前政権の太陽政策について「少し成果を急ぎすぎた」と述べている。
南北首脳会談のため巨額の資金を提供するなど、与える一方の支援は北朝鮮包囲網に穴をあけ、軍事独裁体制を延命させるだけだ。
国交樹立から十年、強化されつつある中韓両国の「パートナー関係」が、地域安定にも有効に働くよう懸命に努力してほしい。
http://www.tokyo-np.co.jp/sha/