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7月9日付・読売社説(1)
[KEDO]「軽水炉の建設は停止すべきだ」
核をもてあそぶような北朝鮮に、「圧力」抜きで対応するには限界がある。
朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)が北朝鮮で実施している軽水炉建設事業をめぐって、日米韓の間にズレが生じている。
事業は、一九九七年に敷地の整備が始まり、今年八月からは軽水炉本体の工事に取りかかる予定になっている。
今月初めの日米韓の局長級協議では、日米が軽水炉事業の「一時停止」を主張したのに対し、事業継続を望む韓国は態度を明確にしなかった。
北朝鮮は核開発を公言している。KEDOの前提となる米朝枠組み合意が崩れている以上、事業を停止するのは、当然だろう。
核兵器の原料となる兵器級プルトニウムの抽出が容易な黒鉛減速炉を、北朝鮮が凍結・解体する。その代わりに、抽出が困難な軽水炉を二基建設し、北朝鮮に提供するのが、事業の内容だ。
しかし昨年十月、北朝鮮の高濃縮ウラン利用の核開発計画が発覚した。北朝鮮は、一月には核拡散防止条約(NPT)からの脱退を宣言し、四月の米中朝協議の際に「核保有」を明らかにするなど、核開発計画を推進している。
このままでは、KEDOが提供する軽水炉や関連部品が軍事転用されるおそれが十分ある。
日本の安全保障にとって、見過ごすことができない問題だ。
韓国が日米と距離を置いているのは、北朝鮮をなるべく刺激したくないとの立場からだ。金大中・前政権が掲げた太陽政策の延長線上にある。
しかし、北朝鮮は、米朝枠組み合意の陰で、背信行為を重ねてきた。韓国はその点を直視すべきだ。
中韓首脳会談でも、朝鮮半島の非核化で一致しながら、「対話」路線が前面に打ち出された。
「平和的解決」には、誰しも異存はない。だが、国際的な取り決めを次々と反故(ほご)にしてきた北朝鮮の場合、「対話」路線だけでは行き詰まってしまうのは明らかだ。「圧力」抜きでは、「対話」さえ成立しないのではないか。
だからこそ、米韓、日米、日韓の各首脳会談では、北朝鮮が核をめぐって事態を悪化させた時は、「追加的措置」または「より強硬な措置」をとることで一致したはずだ。
北朝鮮に対しては、あくまで「完全、検証可能かつ不可逆的な形」で、核開発計画を破棄するよう、求めなければならない。それが実現して初めて、軽水炉事業の継続が可能になる。
(2003/7/9/08:34 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20030708ig90.htm