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アフガン:パキスタン大使館が襲撃される カブール
【イスラマバード西尾英之】アフガニスタンの首都カブールにあるパキスタン大使館の敷地内に8日、多数のアフガン人が乱入し、大使館設備を破壊するなどして、約2時間後に引き揚げた。大使館員は地下室に逃げ無事だった。両国関係は国境付近での武装勢力取り締まりをめぐり緊張が高まっており、乱入はこれに抗議した行動とみられている。
同大使館によると8日朝、約1000人のアフガン人が壁を越えて敷地内に入り、石を投げて窓ガラスを割るなどした。さらに数人が建物内に入り、パソコンや電話、家具などを破壊した。警備の警察官がいたが乱入を制止しなかったという。
AFP通信は、乱入者はアフガニスタンのアハディ中央銀行総裁に率いられていたと伝えた。パキスタンのムハンマド駐カブール大使は「アフガン政府が謝罪するまで大使館の機能を停止する」と語った。
アフガン国内で活動するタリバンやアルカイダ残存勢力などのゲリラ勢力は、パキスタンとの国境を自由に越えて活動しているとされる。4月にはアフガンのカルザイ大統領がパキスタンを訪問し、ムシャラフ大統領と越境テロの取り締まりで合意した。6月下旬からは、米軍とアフガン、パキスタン両軍が国境の両側に兵力を配置した。
しかし国境の両側に住むパシュトゥン人部族の間にパキスタン軍駐留への反発が広がった。さらにアフガン側はパキスタン軍が国境線を越えてアフガン領内に越境していると非難し、両軍の間で銃撃戦が起きるなど緊張が高まった。これを受けカルザイ大統領は7日に、パキスタンの姿勢を非難したばかりだった。
[毎日新聞7月8日] ( 2003-07-08-20:08 )
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20030709k0000m030081000c.html