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英政府とBBC、イラク報告書の真偽で対立
【ロンドン=飯塚恵子】イラクの大量破壊兵器に関する英政府の調査報告書がイラクの脅威を誇張していたとの「疑惑」について、英下院の外交委員会は7日、報告書は「わかった範囲では正確だ」と結論づける報告書を発表し、政府の主張を大筋支持した。政府はこれを受け、報告書に誇張があったと大々的に報じてきた英BBC放送に謝罪を要求したが、BBCは一歩も引かない構えで、事態は泥沼化の様相を見せている。
疑惑の対象となっているのは、英政府が昨年9月に発表したイラクの大量破壊兵器に関する調査報告書。イラクは「命令から45分以内に大量破壊兵器を配備・使用できる」などとし、ブレア首相も対イラク武力行使の必要性を説く際に何度も引用していた。
これに関し、BBC放送は5月末、大量破壊兵器がイラク戦争終結後も見つからないことを背景に、「『45分』の指摘は情報機関が作った報告書の原文にはなく、官邸のアレスター・キャンベル報道戦略担当局長がイラクの脅威を誇張するために途中で挿入した」と報道。キャンベル氏は首相の“懐刀”であることから大きな議論を呼び、下院外交委が約1か月かけて調査していた。
外交委は7日、この政府報告書について「おそらく情報機関としては当時、可能な限り完全で正確な内容を作成したと見られる。政府は議会を誤って導いたことはない」と結論づけた。
また、キャンベル氏の役割についても「『45分』の部分への関与は認められない」とした。ただ、「この種の報告としては、一部、過度に強調された部分があった」と指摘し、情報機関が今後、冷静に資料を作成するよう求めた。
下院の発表後、ストロー外相は7日、「BBCは政府に謝罪するべきだ」と記者団に表明した。
BBCとの対立をめぐっては、これまで直接の言及を避けてきたブレア首相本人が6日の日曜紙オブザーバーとのインタビューで、「BBCがしたことは、私の潔白に対する最大の攻撃だと受け止めている。非難は誤っている」と強い怒りを表明し、全面対決の様相となっている。
一方のBBC側も6日夜に緊急役員会を開き、「5月末の報道は間違っていない。政府の謝罪要求は断固として拒否する」と発表した。7日の下院の発表後も、報道局長が「過度な強調部分があったことを認めており、我々の報道の正しさが証明された」との談話を発表した。
「疑惑」問題の解明は、今後、政府内の情報機関を集めた非公開の委員会でも引き続き調査が行われる予定。
(2003/7/7/22:55 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030707id26.htm