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ロシアは東シベリアからの最初の石油輸出を日本ではなく中国向けとすることを決めた。シブネットを吸収合併してロシア最大、世界第4位の石油会社となったユーコスは5月28日中国国営石油会社CNPCと2005〜30年に日60万バレルの石油を中国の北西部に供給する25億ドルのパイプライン建設の契約に調印した。これは戦略的な選択である。
事実、プーチン大統領と胡錦涛国家主席はユーコス・CNPC契約の前日に調印したエネルギー宣言の中で露中両国のエネルギー提携関係を最優先課題とすることを誓約した。ロシアは内陸部の石油の新たな販路を必要としている。
低迷している日本経済も今後30年というタイム・スパンでは復活してくることは確実だが、中国は世界で最も急速に成長しているエネルギー市場であり、今後しばらくはその立場を維持するだろう。
中国の石油輸入は2030年までに今日のアメリカ並み(日量1000万バレル)に達するとみられ、中東石油依存を減らすよう努めている。日本と異なり、中国の石油会社は受身的に石油輸入国という立場を受け入れる気はない。
中国の3大石油会社は海外での石油開発チャンスを求めて奮闘しており、すでにイラク、ペルー、スーダン等10ヶ国で油田買収に成功している。だが、カスピ海北部のカシュガン大規模油田の競争入札では西側石油コンソーシアムのパートナーに締め出され、更にロシアの石油会社スラブネフトの民営化の入札からも除外された。
このような後退にもかかわらず、中国の石油開発会社はペトロチャイナの株式を保有するウオレン・バフェットの賛同を得ている戦略である、石油ビジネスの儲かる分野である探査、生産への参入に力を注いでいる。
ユーコス・CNPC契約は市場を支配している石油カルテルOPECに対する警告でもある。石油価格を高水準に維持することはロシアのような非OPEC産油国による巨額の石油パイプラインの建設を促すに過ぎない。しかし、今回のシベリア石油パイプラインは、1960年代後半の国境紛争以来、大幅に改善してきた露中関係を補強するという政治的な効果をもたらすであろう。
(米ウォールストリート・ジャーナル5月29日)
http://www.nier.co.jp/kijikanri/choryu/choryu-00513.shtml