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【ワシントン竹川正記】日本の企業連合によるイラン最大級のアザデガン油田の開発計画について、米政府が「安全保障上の重大な懸念」を理由に、在米日本大使館を通じた公式の外交ルートで中止を要請していたことが1日、分かった。米政府に近い筋が明らかにした。先月、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)やアーミテージ国務副長官が加藤良三駐米大使を呼び、イランの核開発疑惑が米政府の安全保障政策の重大な懸念であることを強調した上で「同盟国の日本がイランに誤ったメッセージを伝えることを憂慮する」などと指摘し、事実上開発計画からの撤退を迫ったという。米政府の公式の中止要請で、日本の石油開発戦略は抜本的な見直しを迫られる可能性が出てきた。
同油田開発問題をめぐっては、バウチャー米国務省報道官が30日、「この時期にイランの石油・ガス開発を進めるのは不適切」との見解を示したが、「特定国との外交交渉についてはコメントできない」としていた。同筋によると、米政府の開発中止要請は、小泉純一郎首相周辺や日本の関係省庁にも伝達された。6月末か7月初めにも予定されていたイラン政府との契約調印が急きょ延期されたのは、小泉政権が日米関係への悪影響を懸念したためという。
日本政府は当面、米政府が求める核開発計画の開示や国際原子力機関(IAEA)による全面的な核査察にイランがどう対応するか見守る一方、同油田の開発計画は撤回せず、イラン側との交渉を続けたい意向だ。しかし、核開発問題は早期解決が見込めない上、国際石油業界筋によると、同油田開発には欧州石油資本も関心を寄せており、日本が日米同盟の足かせでもたつけば「イラン側が見切りをつける可能性もある」という。
同油田は確認埋蔵量260億バレルで中東地域でも有数の規模。日本とイランの協力による開発計画は、01年7月に平沼赳夫経済産業相が中東地域を歴訪した際、テヘランでのハタミ大統領とのトップ会談で決定した事実上の国家プロジェクトだ。日本のアラビア石油がサウジアラビアに持っていたカフジ油田の採掘権が00年に失効したのを受け、官民あげて新たな石油の長期的な安定供給源となる「日の丸油田」として開発を目指したのがアザデガン油田で、順調に行けば、今夏に契約、04年中には商業生産を開始する予定だった。
[毎日新聞7月2日] ( 2003-07-02-15:00 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030702k0000e030117001c.html