現在地 HOME > 掲示板 > 戦争36 > 442.html ★阿修羅♪ |
|
ブレア英首相、人気急落 イラク兵器見つからず信用失墜
英国での世論調査で、ブレア首相の人気が急落している。目立つのは、もはや首相を信用できない、という意見だ。イラク戦争を正当化する際、旧フセイン政権が保有しているとして「差し迫った脅威」と強調した大量破壊兵器が見つからないうえ、英軍が残留を続ける戦後イラクで深まる混迷が、国民の心理に影を落としている。
今週、フィナンシャル・タイムズ紙が掲載した調査結果によると、「今年初めまで首相を信頼していたが、今は信じない」という回答を選んだ人が38%に達し、「なお、首相を信頼する」と答えた31%を上回った。首相は国民の支持を失いつつあるか、との問いには、66%が「そう思う」と応じた。
デーリー・テレグラフ紙は先週、支持率調査で37%を記録した野党・保守党がブレア政権与党の労働党を2ポイント上回り、10年以上続いた労働党の優位に終止符が打たれた、と分析した。ガーディアン紙も先月の調査をもとに、首相に対する国民の満足度が4月以降、10%下がった、と報道。不人気の傾向を鮮明にした。
下院外交委員会では、米国とともにイラク戦争に踏み切った政府の判断の妥当性を問う攻防が続いている。首相は側近のキャンベル報道・戦略局長まで送り、「政府は十分な裏付けなく、イラク軍が45分以内に生物・化学兵器を配備できる、と主張した」とするBBCの報道を強く否定させるなど、防戦に必死だ。
同委員会は来週初め、調査結果の公表を予定している。一部の委員は今週初め、「キャンベル氏らによる事実の誇張はなかった」と発言。政府側の逸脱はなかった、との心証を明らかにした。情報機関トップの出席を拒んだ政府の非協力を批判しつつも、「首相が情報をねじ曲げ、世論や議会を誘導した」という首相の信頼にかかわる疑念については否定する内容に落ち着く可能性もある。
ただ、当面の追及をかわすにせよ、「疑念は首相の座を去るまで、ブレア氏について回る可能性が高い」(エコノミスト誌)。
イラク兵器が与えた脅威の実存を立証できない限り、首相は戦争の大義をめぐる批判を逃れられない。イラクでは水道や電気の復旧が滞り、米英軍による占領は難航している。先月下旬には、英軍警察の隊員6人が殺害された。「何のための戦争だったのか」という人々の疑問は容易に、解消されそうにない。
(07/02 19:56)
http://www.asahi.com/international/update/0702/011.html