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地獄の果てまでアメリカについていく〜≠ニばかりに、ブッシュの忠犬・小泉は、いまイラク軍政参加法の制定に突進している。さすがこれには日本の支配階級の内部からも不満が出ている。右翼の街宣車が、「日本防衛の神聖な任務をもつ自衛隊が、どうして他人(アメリカ)の戦争を支援しなければならないのか」なんて街頭でがなっているほど。
そんなニッポン支配階級内部の反米・嫌米気運をかき消そうと一部の対米盲従右翼がわめいている。「現在の世界を比喩的にあらわすなら、ソ連解体によって、四百年前の日本と同じ状況に……アメリカ幕府」の時代になった。「日本が『アメリカ幕府』を揺るがすとしても、それは二、三百年先の話」。したがって「〔アメリカのイラク攻撃が〕善か悪かではなく、日本の国益を考えて、アメリカの味方をするべき」。
これ、ファナティック右翼・渡部昇一の弁(『Voice』五月号)。対米盲従分子どもの主張の最大公約数ってところ。アメリカに反抗したらお家とり潰(つぶ)しョ。うまく立ち回れば、親藩大名には無理でも譜代大名ぐらいには取り立ててもらえるワ。だから、アメリカの言いなりでいいのョ……、これが連中の言っていることのスベテ。
さすがにこれだけじゃあカッコウ悪いと思ったのか、連中、実に奇妙なことを言っている。
「日本とアメリカが真の同盟関係を結びたいなら、その前に東京裁判の問題を解決しておく必要がある。……『あの裁判はよくなかった』と大統領がコメントするだけでもいい」(同前)。へぇー! アメリカ大統領が「東京裁判は間違ってた」と言うかもしれないと妄想してんだ。ばっかじゃなかろか!
てめえの旦那の精神的素性ぐらい勉強しろってんだ。なにしろワシントンにあるアメリカ海兵隊の記念碑には、フィリピン1900、硫黄島1945、イラク1991、ボスニア1999、と刻んであるのだそうだ。「アメリカは世界で一つの神の国」と確信しているブッシュ政権は、「日本とドイツをファシズムから解放し民主化したのがわが国」と確信≠オている。「東京裁判史観」は偶然ではない。ユニラテラリズムを国家理念とするブッシュ政権が東京裁判を否定するかもなんて妄想するってのは、超のつく大馬鹿ってこと。
これに輪をかけた大馬鹿をもう一例。「ブッシュは核武装をしてくれ、対等になってくれと日本に呼びかけている」(元フーバー研究所上級研究員・片岡鉄哉)。
四月に米副大統領チェイニーが、中国政府を揺さぶるために言ったことに飛びついてるのだけど、チェイニーの意図をまるっきり読み違えている。北朝鮮が核兵器を持ったならば日本も核兵器を持つことになる、したがって北朝鮮の核開発ストップは中国の安全にとっても不可欠だ……=Aチェイニーはこう言っただけ。それなのに、日本の対米盲従右翼にとっては、この一言がアメリカの対日政策の大転換に見えるってわけだ。
そもそも、去年の二月にブッシュが明治神宮に行ったこと、これが日本の右翼どもを大いに感激させた。ブッシュにとってみりゃ明治神宮参拝なんてものはどこかの先住民族の珍奇な伝統行事を見物するのと同じこと。なんせ、やつはキリスト教原理主義者、アメリカ原理主義者の今ヒトラーよ。
その昔、アーリア人至上主義者のヒトラーは、心の底では日本人なんて黄色いサル≠セと軽蔑していたそうな。ところが当時の日本人の多くは、ヒトラーが日本を対等な同盟国として扱ってくれたと思いこんで感謝感激。ヒトラーを世界の偉大な指導者≠ニ賛美していた。歴史はくりかえす。ブッシュが日本にやさしくしてくれる≠ネんて思いこんで、ブッシュに尽くして尽くして、地獄の底までついて行こうっていう大馬鹿者ども。てめえらだけで地獄に堕ちりゃいいんだ。日本人民が道連れにされるのは絶対にゴメンだぜ。