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【バグダッド=平野真一】イラクを占領統治する米軍は30日、イラク中南部のイスラム教シーア派聖地ナジャフのアブハイダル・アブドルムニム暫定市長を、誘拐、汚職などの容疑で逮捕した。
米軍がフセイン政権崩壊直後の4月に任命した暫定市長を、3か月足らずで自ら逮捕・解任するのは極めて異例。米国が主導する新体制確立の信頼性をも大きく損ねよう。
連合国暫定当局(CPA)が発表した。容疑には人質略取や公金横領、公務員に対する金融犯罪強制、銀行員襲撃まで含まれ、まるでギャングさながら。告発を受けた米軍が2週間前、イラク人の判事と検察官に捜査を依頼した結果、「膨大な証拠」が集まったという。ボディーガードら61人も逮捕された。暫定市長はイラクの法廷で裁くという。
暫定市長は、スンニ派教徒の元イラク軍大佐。ナジャフを制圧した米軍部隊司令官が任命した当初から、市民の大多数を占めるシーア派教徒の間では不評で、最近は暫定市長と元支配政党バース党との関係を追及するデモまで起きていた。
CPAスポークスマンは30日、「われわれも誤りを犯すことはある」と人選ミスを認めるとともに、有力者で構成する市評議会が正式な後任を選出するまで暫定副市長が職務を務めると述べた。
だが、シーア派教徒に大きな影響力を持つ大アヤトラ(最高位のイスラム聖職者)、アリ・シスタニ師が30日、「米国には憲法制定評議会メンバーを選出する権限はない」として、総選挙実施を呼びかけるファトワ(宗教判断)を出すなど、米国主導の新体制作りへの異議申し立てが広がっている折りだけに、地方行政のつまずきは大きく響きそうだ。
(2003/7/1/11:51 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030701i303.htm