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NPO医師:イラクの小児がん調査から帰国
NPO(非営利組織)「日本国際ボランティアセンター」のメンバーとして、イラクで小児がん医療の現状を調べていた井下俊・徳島県立海部病院内科科医長(40)が29日、帰国した。井下さんは「病院はいずれも電気や水の供給不足のため不衛生で医療機器も看護師も不足し、十分な治療も受けられないまま多くの子供たちが命を落としている」と支援の必要性を訴えた。
井下さんはバグダッドやバスラで、小児がん病棟がある3病院を訪問。イラクの医師らが提供したデータによると、バスラ周辺の小児がんの発症数は90年の19件が02年には160件と8.4倍に急増。うち白血病が大半で、90年の15件が02年85件に増えた。また先天奇形の発生率は90年には1000件中3.04件だったが、01年には同22.19件に急増しているという。
バグダッド市内の小児教育病院に入院しているセーフェラ君(5)は、急性リンパ性白血病を2年前に発症。口の中や鼻からの出血が止まらず、看護師不足のため母親が泊まり込みで看護に当たっていた。
急性骨髄性白血病でバスラのイブン・ガスワン病院に入院中の少女(10)の父親は「日本にこの子を連れて行ってくれないか。日本の医療なら助かる」とせがんだ。
井下医師は「小児がんや先天奇形の急増が劣化ウラン弾使用によるものだという疑いは否定できないが、正確なデータを集めている機関がなく、対策も講じられていない。イラクでは、劣化ウラン弾の被弾で放射能が検出されている戦車の周りで、子供たちが無防備に遊んでいる。公的機関による調査と早急な対策が必要だ」と訴えた。【大治朋子】
[毎日新聞6月29日] ( 2003-06-29-20:34 )
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20030630k0000m040064002c.html