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検証・核武装化に利用される拉致事件
http://www.bund.org/
の下記記事、一読の価値あり。特に家族会事務局長、蓮池透氏の以下の経歴は頭にとどめておく必要あり、
>1977年に東京理科大学を卒業後、東京電力に入社。原子力燃料リサイ
>クル研究室に配属。2000年原子力技術部に移り、2002年からは
>「日本原燃」に出向、燃料製造部副部長の職にある。日本原燃というのは、
>各電力会社が出資して設立した核廃棄物関連企業。蓮池事務局長はここで
>プルトニウムを取り出すための核廃棄物再処理プロジェクトを担当しプル
>サーマル計画を押し進めてきた。また蓮池事務局長は、六カ所村再処理工
>場内のMOX燃料加工工場建設の許認可申請の担当者だともされる。
>
以下、全文。
http://www.bund.org/opinion/1114-4.htm
検証・核武装化に利用される拉致事件
2003-6-25
日本人として拉致は許せないが 対北戦争策動には反対だ
大友
徹
検証1
「これは戦争」「日本は核ミサイルをもて!」と主張する家族会・救う会
検証2
隠れた朝鮮戦争、米韓も1万人以上の工作員を北に送り込んでいた
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昨年9月17日の日朝首脳会談で北朝鮮は日本人拉致の事実を認めた。そ
の後、拉致被害者5名が日本に帰国したものの、北朝鮮に生活する家族と
は離れ離れになったままだ。私には、拉致された頃の横田めぐみさんと同
年代の中学生の子どもがいる。もしわが子が拉致されたりしたら私も、親
としてできる限りの行動をするだろうと思う。被害者家族の気持ち、怒り、
悲しみ、無念さは、察するにあまりある。
民間人拉致は国家犯罪
拉致問題は、その連続的発生から20数年以上、社会問題として大きく注
目されることはなかった。日本政府―外務省官僚も、「北朝鮮との交渉の
邪魔になる」と外交問題として積極的に取り上げてこなかった。旧社会党
などの日本の左派勢力や進歩的文化人といわれる人々の一部は、「拉致は
デッチ上げ。反北朝鮮キャンペーンだ」「拉致問題をいうことは反動勢力
を利することになる」と言い続けてきた。
長い間、誰からも支援されることなく、なすすべもなく過ごさざるをえ
なかった歳月は、拉致被害者―家族にとってつらい日々であったと思う。
被害者ならびに家族が、人権の回復と被害の補償、犯罪者の処分を求める
のは当然だ。
ところがそうした拉致被害者―家族の悲痛な叫びを、政治的に利用しよ
うとしている人々がいる。救う会=北朝鮮に拉致された日本人を救出する
ための全国協議会(会長・佐藤勝巳、現代コリア研究所所長)や拉致議連
=北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟
(会長・中川昭一)にすくう右翼勢力だ。彼らは実際の拉致被害者―家族
の救援よりも、拉致問題を利用して北朝鮮脅威論を煽りたて、憲法改悪や
有事法制制定といった自らの政治目的を実現しようとしている。
家族会の蓮池透・事務局長は、拉致被害者や家族を取り戻すためには金
正日独裁体制の打倒が必要であり、そのためには日本は北朝鮮に対する経
済制裁を行え、軍事的圧力をかけろと発言をエスカレートさせている(検
証1参照)。さらにアメリカに北朝鮮を軍事的に恫喝してもらうために、
渡米してブッシュ政権に協力を要請したりもしている。
ネオコン勢力が牛耳るブッシュ政権は今、北朝鮮をイラク・イランと並
ぶ「悪の枢軸」「ならずもの国家」と名指しし、先制攻撃による政権打倒
すら辞さないと表明している。もしアメリカと北朝鮮の間で軍事衝突が起
きるような事態となれば、戦場となる朝鮮半島はアフガニスタンやイラク
と同じように米軍によって徹底的に破壊されることになるだろう。罪のな
い多くの一般市民・非戦闘員が殺されるのは目に見えている。隣国の韓国
・北朝鮮が戦場となれば、日本も全面的に戦争に巻き込まれることを覚悟
しなければならない。そうなれば拉致被害者―家族の救援どころでは無く
なってしまう。
金大中氏救援運動の頃
そもそも日本人拉致事件の背景には、1980年代前半まで続いた韓国
・アメリカと北朝鮮によるスパイ合戦・拉致合戦があった。当時の韓国は、
アメリカと日本が支援する軍事独裁政権で、北朝鮮と同じように民主主義
も自由もなかった。民主化運動に立ち上がった人々は逮捕・投獄され、拷
問の果てに「北のスパイ」のレッテルを貼られて処刑されていった。
スパイ活動や拉致も、北朝鮮ばかりでなく、韓国中央情報部(KCIA)
やCIA(アメリカ中央情報局)韓国支部も行っていた(検証2参照)。
1973年8月には、韓国民主化運動の中心的人物の一人で、先頃まで韓
国の大統領だった金大中氏が、亡命先の日本のホテルから韓国中央情報部
(KCIA)によって拉致され、韓国に強制的に連れ戻される事件まで起
きている。
金大中氏はその後、1980年に全斗煥政権によって死刑判決を受けた。
当時ブント(戦旗・共産同)は、「金大中氏らを殺すな」を合言葉に全国
の街頭で署名活動やハンストを行って韓国の全政治犯の釈放を訴えた。私
も、連日のように署名を集めたのを思い出す。
もちろんだからといって「北朝鮮の行った日本人拉致はやむを得なかっ
た」と言いたいのではない。たとえどのような状況・理由があったにせよ、
日本や韓国の一般市民を拉致するなどという国家犯罪を正当化することは
できない。それは、劣化ウラン弾や大量破壊兵器を使ってイラクの民間人
を虐殺した米軍同様の戦争犯罪だ。
だが米韓による対北朝鮮工作もまた、北朝鮮による拉致と同様の国家犯
罪に変わりはない。北朝鮮民衆の中にも、米韓の情報部が潜入させた工作
員によって殺されたり拉致されたりした人々がいる。日本はそのアメリカ
と軍事同盟を結び、軍事基地まで提供し続けてきた。また民主化以前の歴
代の韓国軍事独裁政権を支持し、度重なる経済援助を行ってきたのも日本
だ。かつての朝鮮侵略と植民地支配の謝罪と償いも終わっていない。
ニューヨークの9・11テロ被害家族のなかには、犠牲となった自分の家
族の名前で戦争が正当化されるのはたまらないと、アフガンやイラクに対
する米軍の攻撃に反対する反戦運動に立ち上がった人たちがいる。拉致事
件の被害者―家族の悲しみが、新たな戦争の口実にされるようなことがあ
ってはならない。
朝鮮半島における軍事的対立と民族分断という歴史的悲劇が生み出した
拉致事件。その真の解決のためには、拉致被害者の救援および真相解明と
ともに、日本人、韓国・朝鮮人の誰もが安心して生活できるよう、朝鮮半
島に平和と統一を実現していくことこそが必要なのではないか。
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検証1
「これは戦争」「日本は核ミサイルをもて!」と主張する家族会・救う会
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)の蓮池透事務局長は、メ
ディアに登場しては、「拉致は国家テロ。北朝鮮への経済制裁を行え」
「これは戦争ですよ。アメリカならそうするでしょう」といった過激な主
張を繰り返している。救う会・佐藤勝巳会長にいたっては、「向こう(北
朝鮮)は制裁を宣戦布告とみなし、ミサイルを撃ち込むという事に必ずな
る。日米安保条約を発動し対応すると首相は答えるべきだ。戦争を恐れて
はならない。長期的には我が国が核ミサイルを持つこと」だと、日本の核
武装化まで主張している。
しかし経済制裁やましてや核武装化・武力攻撃などといった事態になれ
ば、北朝鮮がさらに態度を硬化させる恐れが強い。そうなれば北朝鮮に残
された拉致被害者の家族や、家族会が存在を主張している他の日本人拉致
被害者を窮地に追い込むのは必至だ。拉致被害者および家族の奪還―救援
を目的とする家族会の事務局長や救う会会長の発言とは、とても思えない
強硬意見なのである。
「孫のキム・ヘギョンに会いに、北朝鮮に行きたい」という家族会会長
の横田滋さん夫妻の肉親としての当然の願いに対して、「北朝鮮に利用さ
れる」と強硬に反対してきたのも蓮池事務局長と佐藤会長だ。
蓮池事務局長を中心にした家族会は、拉致被害者の救出という本来の目
的を見失い、次第に反北朝鮮―金正日体制打倒を掲げる政治団体へと変貌
しつつある。蓮池事務局長自身も、新潮社から手記『奪還 引き裂かれた
二十四年』を出版。次期衆議院選に自民党の候補としての出馬を準備して
いるとも言われる。
ところでこの蓮池薫さんのお兄さん。『噂の真相』6月号に、蓮池事務
局長の「正体」が、場外馬券売り場で馬券購入中のスクープ写真とともに
暴露されている。それによると、1977年に東京理科大学を卒業後、東
京電力に入社。原子力燃料リサイクル研究室に配属。2000年原子力技
術部に移り、2002年からは「日本原燃」に出向、燃料製造部副部長の
職にある。日本原燃というのは、各電力会社が出資して設立した核廃棄物
関連企業。蓮池事務局長はここでプルトニウムを取り出すための核廃棄物
再処理プロジェクトを担当しプルサーマル計画を押し進めてきた。また蓮
池事務局長は、六カ所村再処理工場内のMOX燃料加工工場建設の許認可
申請の担当者だともされる。
東電社員の蓮池事務局長、日本が核武装すれば、北朝鮮の脅威排除とプ
ルトニウム処理が進んで一石二鳥と実は考えていたわけだ。民間人が国家
権力によって拉致されたことへの怒りはわかるが、だからといって北朝鮮
と核戦争やれはないだろう。まるで金正日と同じような考え方じゃないか。
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検証2
隠れた朝鮮戦争、米韓も1万人以上の工作員を北に送り込んでいた
1950年6月に勃発した朝鮮戦争は、1953年7月に調印された軍
事休戦協定によりひとまず戦闘は終わった。だが、朝鮮戦争に参戦した韓
国、アメリカ(国連軍)と北朝鮮、中国(人民志願軍)の間の政治的軍事
的対立が解消したわけでは全くなかった。休戦協定によって両陣営は、正
規軍戦から工作員・スパイによる非公然の軍事作戦全面化へと戦略を転換
していく。
すでに1950年の時点でCIA(アメリカ中央情報局)韓国支部は、
米韓合同顧問団諜報部隊を創設。訓練した工作員をスパイとして北朝鮮に
送り込んでいた。従事した要員は3000名に達したと推定されている。
2000年9月、非転向の北朝鮮スパイ63名と引きかえに、北朝鮮から
43名の韓国人が返還された。これによってはじめて韓国に「北派工作員」
という軍事謀略組織が存在したことが公式に明らかとなった。同年10月、
キム・ソンホ議員が韓国国会に、「1953年から1972年までに1万
人の韓国人スパイが北朝鮮に送られ、うち7726名が死亡または失踪し
た」と報告するとともに、366名の韓国人スパイリストを公表した。
北派工作員は、北朝鮮将校の暗殺―拉致連行をはじめ、北朝鮮でさまざ
まなテロ破壊工作を行った。だが彼らは韓国軍の正規の軍人ではなく、今
までその存在自体が国家機密であったため、民主化後の韓国では何の身分
保障も軍人恩給も受けられない。2002年3月には、こうした元スパイ
たちがソウルで政府補償と名誉回復を要求してデモ行進。鉄パイプや火を
つけたガスボンベを振り回して警官隊と市街戦となった。
北朝鮮側も、敵国である韓国人―日本人の拉致をはじめ様々な非公然的
な破壊活動を、一個の軍事作戦として行ってきた。1948年に、政治秘
密警察・政治保衛部を設立。現在も、国防委員会傘下の人民武力省偵察部、
朝鮮労働党所属の対外連絡部、35号室、偵察部、統一戦線部などの諜報機
関があるとされる。
韓国国家情報院(旧KCIA)によると、1968年以後、北朝鮮によ
る武装スパイ行為は322件におよび、韓国に潜入し射殺あるいは自殺に
より死亡した北朝鮮スパイは220名に達するという。
休戦協定後も朝鮮半島では「隠れた朝鮮戦争」が続いているのだ。