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報告者：アブ・ハバル
ユダヤ人のイラク不動産買い 2003年06月23日
実際にはどの程度動いているのかは不明だが、最近、イラクのイマームたちがイラク国民に対し、外国人なかでもユダヤ人への不動産の売却を止めるよう呼びかけている。
このニュースはアラブ左派系新聞サフィールが伝えたものだ。
昨年９月、つまり戦争前のイラクを訪問した折、友人のイラク人宅を訪問したが、その自宅は３００平方メートル以上の建物に、６００平方メートルほどの土地つきだったと記憶している。
友人宅はバグダッド市内の高級住宅街の一角にあったが、価格を聞いたところ２５０万円程度とのことだった。安いなあというのが私の実感だったが、ユダヤ人からすればイラクの土地や建物はただ同然のような価格で、安いという感じがするのではないか。
ユダヤ人と私の違いは、私には東京と比べ非常に安いと思っただけであり、安いからといって買う気は全く起こらなかった。バグダッドに住む気が無いことと、その不動産を買って賃貸に出す気も起こらなかったからだ。
一方、ユダヤ人にしてみれば私とはだいぶ感覚が異なると思う。多くのユダヤ人がかつてはバグダッドをはじめとするイラクの町に住んでいたことから、バグダッドの不動産は思い入れ残る精神的親近感があるのだ。
加えて、今後のイラクの復興を考えたとき、バグダッドの不動産は一戸建てからビルまで、投資対象として十分に魅力があるのかもしれない。今後、イラクが正常な状態になり、外国の企業マンや外交官が大挙して押し寄せるようになれば、立地条件のいい整備された住宅や事務所ビルに対するニーズは高くなること間違い無しだからだ。
しかし、イラクのイマームが警告しているのは、そうした小規模な取引を対称にしているのではあるまい。
それは、ユダヤ人が土地を含めたイラクの不動産を買い占めることにより、結果的に、バグダッドなど主要な都市の中心部分がユダヤ人によって買い占められること、石油をはじめとする地下資源埋蔵地域を買い占められること、農耕が可能な地域を買い占めることが進んだ場合、将来、イラクの豊かな部分がユダヤ人によって支配され、イラク国民や政府がなんと言おうとも、ユダヤ人が所有権を前面に打ち出し、彼らの権利を主張することになるということであろう。
イラクのイマームたちはパレスチナの例を引き合いに出し警告しているようだ。現在解決がほとんど不可能になっているパレスチナ問題は、最初の段階ではパレスチナの不在地主たちから、ヨーロッパのユダヤ人たちが土地をただ同然の値段で買い、そこにユダヤ人を移住させることから始まった。その後には戦争などによる土地の不法な占拠と略奪があったことも確かだが、最初は合法的な手段が用いられていたのだ。イマームたちはパレスチナの土地同様に、イラクの土地がユダヤ人たちに買い占められ、ついには国そのものを獲られてしまう、という不安感を抱いているのだ。
最近、アラブ諸国では６０年代に流行った「ユダヤ人はユーフラテス川からナイル川までの地域を支配することを狙っている」という話がぶり返してきている。混乱の続くなかでは、小さな事実に尾ひれが付き、次第に大げさな話が信憑性を持って語られるようになるのかもしれない。話が話だけ、不安が不安だけで終わることを望む。
（東京財団：中東コンフィデンシャル 2003/6/23）
http://www.tkfd.or.jp/news/meast/1_20030624_1.shtml
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★あまりにも気になったので投稿しました。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。