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ASEAN外相会議、スー・チーさん釈放求めず?
2003 年 6月 17日
【プノンペン=奥村健一】プノンペンで16日開幕した東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議は、同日、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんの拘束で緊張するミャンマー情勢などについて話し合った。17日に採択される共同声明は、同情勢に言及する見通しだが、スー・チーさん釈放を直接求める文言が盛り込まれる可能性は小さい。声明の内容とその後の展開次第では、ASEANは自らの限界を露呈することにもなる。
16日の協議後、タイのスラキアット外相は、記者団に対し、「スー・チーさんの早期釈放を期待する」と明言した。シンガポールのジャヤクマル外相は、「多くの外相が、ミャンマーのウィン・アウン外相に懸念を伝えた」と語った。カンボジアのホー・ナムホン外相は「ミャンマー政府は(釈放の重要性を)理解している」と述べた。
これに対し、アチェ問題など自国内にも火種を抱えるインドネシア、一党独裁のベトナムなどは、協議の席上、域内諸国に対する「内政不干渉」原則を強調したと見られる。
米国との距離の違いを微妙に反映した各国の立場には、ズレがある。マレーシアのサイドハミド外相は「明日もミャンマー問題を話し合う」と述べ、最終結論を持ち越したことを明らかにした。
ASEAN外交筋によると、共同声明でのミャンマー問題を巡る文言では、「ラザリ国連事務総長特使による国民和解に向けた仲介努力を支持する」との草案を下敷きに、最終調整が続いている。
「国連仲介への支持」という他人任せのような内容だが、これなら、表向き、「国家の安定を保ちながら国民和解を推進する」とする方針を打ち出しているミャンマー軍政も受け入れやすいという。各国も、国連仲介を支持することには異論はない。
一方、ミャンマーは16日、スー・チーさん拘束後、暴動の拠点化を恐れて閉鎖していた国内の大学、短大、研究所を再開。AFP通信によると、スー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)の46人を釈放したという。
軟化姿勢を示すことで、国際社会の矛先をかわす意図が見え隠れする。ただ、在ミャンマー外交筋によると、現時点で、スー・チーさん釈放の具体的な情報はないという。
今回の外相会議で、ミャンマー情勢が焦点となった背景が、欧米など国際社会の圧力であるのは間違いない。ミャンマーを含むASEANとしても、何らかの意思表明をしない限り、組織の信頼性を損ないかねない、との危機感が共有されるようになった。ただ、より重要なのは、域内の重要政治課題に実際にどう対処していくかにあると言える。
元々機能していないらしいASEANの化けの皮を改めて剥いで晒すと同時に、元々裏切り者であると噂されるお頭を、こんな時期にこんな形で引っ張り出す。何か出来の悪い三文芝居のようだが、如何に。