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アフガニスタン:
カルザイ政権1年 復活するタリバン
【イスラマバード西尾英之】アフガニスタンのカルザイ大統領が昨年6月の緊急ロヤ・ジルガ(国民大会議)で正式に国家元首に選ばれて1年。この間、政権は学校の再開や難民の帰還で一定の成果は上げたものの、政権を追われたタリバンが勢力を回復し、各地で政府軍や米軍を狙った攻撃が相次ぐなど、国内状況はかえって悪化傾向にある。有力な地方軍閥も中央政府に距離を置き、「内戦に逆もどりか」との悲観論も飛び交う中、住民は息をひそめて現状を見守っている。
◆復活するタリバン
「元タリバン兵士の大部分は故郷に戻って暮らしている。攻撃は外国人勢力によるものだ」。今月7日、首都カブールで国際治安支援部隊(ISAF)のドイツ兵ら6人が死亡した自爆テロ事件後、記者会見したカルザイ大統領は強調した。
12日にはジャラリ内相が「犯人はアフガン人ではなく、アルカイダの犯行だ」と述べたが、具体的な証拠には乏しく、真相は闇の中。タリバンの動向に詳しいパキスタン軍関係者は「事件は力を回復しつつあるタリバンが勢力誇示のために起こした。カルザイ政権はタリバンの脅威を打ち消すために、あえて外国勢力の関与を強調している」との見方を示す。
一方、アルカイダについては、実態はまったく不明だ。タリバンと共同作戦を行っているとの情報もあるが、メンバーが国内に残留しているのかもはっきりしない。
◆居座る「地方君主」
カルザイ大統領は地方の有力軍閥に閣僚ポストを与え、「領地」から引き離して政権内に取り込むことで国内全体の支配を目指した。しかし最大の地方軍閥である北部マザリシャリフのドスタム将軍と西部ヘラートのイスマイル・ハーン司令官はともに本拠地にとどまり、政権は徴税さえままならない状態が続く。
6月に入り、ドスタム将軍との交渉で、ようやく北部国境の警備や1日20万ドルに上るとされる関税徴収の権利が将軍から中央政権に委譲されたと報じられた。ハーン司令官とも徴税権委譲を巡って交渉を続けているが、地元で反対集会が開かれるなど抵抗も根強い。
[毎日新聞6月14日] ( 2003-06-14-18:24 )
http://www.mainichi.co.jp/index.html
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030615k0000m030010001c.html