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米国流イラク経済改革着々と 携帯網入札に米経済界圧力
占領統治下のイラクで、米国流の「経済改革」が進められている。とはいっても、米国の長期的な利権確保を狙う意図が濃厚だ。勝手に外国人労働者を導入し、イラク人との間に摩擦を生んでもいる。暫定統治でもイラク人主導が先送りされただけに、米国の真意をいぶかる声も出始めた。
米英の暫定占領当局(CPA)は12日、イラク全土をカバーする携帯電話網の入札を週明けにも実施すると発表した。
世界の携帯電話市場では、米国勢と欧州勢が通信方式をめぐって激しい競争を繰り広げている。地上回線が崩壊したイラクは、携帯電話業界にとって大きな魅力だ。占領当局は「契約期間は2年以下」としているが、いったん普及が進めば、同国では将来にわたってその方式が標準規格になる可能性が高い。
こうした動きを後押ししているとみられるのが米経済界の圧力だ。ロイター通信によると、米下院議員がラムズフェルド米国防長官に「イラクの携帯ネットワークで欧州方式を採用すれば、米国人の雇用と利益が脅かされる」と公開書簡を出すなど、イラク戦争の「戦果」を求める声が出始めている。
摩擦も出ている。AFP通信によると、イラク南部のバスラで9日、国営石油会社の社員ら約500人がデモ行進をした。
米軍との契約で石油パイプラインの補修を行っている米プラント会社KBRの下請け企業が、インド人などアジアからの出稼ぎ労働者を導入。怒ったイラク人たちが「我々を犠牲にする外国人労働者はいらない」「私たちの国の再建は、私たちでやる」などと書かれた横断幕を掲げ、バスラ駐留の英軍本部付近で抗議の声をあげた。
KBRはチェイニー米副大統領が経営者だったエネルギー大手ハリバートン社の子会社で、米紙ワシントン・ポストによると、すでにイラク戦争前に油田の補修事業を独占受注していた。
イラクでは全人口の少なくとも1割にあたる約200万人が公務員。石油部門を始め主要産業では計画立案から施工、補修まで、国有企業が自前の労働力でまかなってきた。戦後復興の遅れもあり、失業者のデモは連日発生。それでも外国人労働者の使用に踏み切り、地元民の怒りに火をつけた。
占領当局は9日、イラク人の経済官僚やビジネスマンなど約30人を集めて、イラク経済のあり方を話し合う経済評議会を立ち上げた。
同評議会のメンバーはイラク人だが、人選は占領当局次第。位置づけもイラク復興を統括するブレマーCPA代表への助言機関にすぎない。ブレマー氏は「決定までに、さらに議論を進める」と言って見せた。だが、米国際開発局(USAID)は、経済コンサルタントなど米企業10社を対象に、イラク国営企業の民営化を視野に入れた経済改革計画立案の入札実施を発表。米国独自の青写真づくりに乗り出している。 (06/14 20:42)
http://www.asahi.com/international/update/0614/017.html