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>24歳の主婦(上)は、爆風で全身にガラスの破片を浴び、愛児も失った=5月25日、アルビルの病院で(子供と二人にこやかに微笑んでいる写真と、爆撃でやられた後失明し顔もひどく変形し老婆のようになった写真と2枚の写真)
米国はイラクで何をしたのか【東京新聞、こちら特報部 を読んだ後、この朝日新聞の天声人語を読むと、とてもマヌケな感じがする。】
なお、新聞の方では、以下の写真もある。
>クラスター爆弾の親爆弾の残骸を見つめる子供たち(5月21日、ナジャフ市カラーマ地区で)
>爆撃後、病院に運び込まれたが亡くなった人々のIDカード=5月20日、南部ナシリヤで
米国はイラクで何をしたのか【東京新聞、こちら特報部】
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20030613/mng_____tokuho__000.shtml
今も戦場
フォトジャーナリスト 広河隆一さんが見た
夜になると、まだ銃撃が続いている。米軍による民間人被害も絶えない。
フォトジャーナリスト、広河隆一さん(59)は先月、イラク全土を歩き、
戦禍の傷跡をたどった。そのイラクに自衛隊を派遣する「イラク特措法案」
は十三日にも閣議決定される。法案には「戦闘地域を除いた活動」がうた
われているが、現地を見た広河さんは「戦闘のない地域はない」と断言す
る。 (田原拓治)
■先月現地で調査 80人の証言集め
AP通信は十日、病院を対象にした独自調査で、イラク戦争の民間人犠
牲者が少なくとも三千二百四十人に上ると報じた。一九九一年の湾岸戦争
で、イラク政府が発表した二千二百七十八人を大きく上回る。しかも、今
回の数字には病院に搬送されず死亡した人々の数は含まれていない。
湾岸戦争以来、過去三回イラクを訪れた広河さんは今回、五月十二日か
ら三十一日まで、ドイツ人助手一人を含む三人で「イラク戦争被害調査チ
ーム(ICIV)」を組み、イラク南部から北部まで約八十人の遺族や医
師の証言を集めた。
「まず、南部全域にクラスター爆弾が使用されていたことに驚いた」。
クラスター爆弾は上空で小型爆弾や地雷をまき散らし、広範囲に被害を及
ぼす。「被害者には細かな破片が刺さり、手足は切断される。イラク兵が
住宅地に潜り込んだという情報で、二百メートル四方の民家にクラスター
爆弾がまかれたケースもあった」
■道に散らばる不発弾…通りがかりの女性が爆死
バグダッドでも大きな通り沿いに不発弾が散らばっていた。「住人らが
米軍に除去を依頼したが、約束の時間に米軍は来なかった。その後、通り
がかったロバをつれた女性が爆死した」
イラク人の自由のため、と銘打たれた戦争だが、米英軍の戦禍への対応
に人々は憤っているという。
「バスラでは、英軍侵攻の数時間前の爆撃で一家十人を殺された医師に
会った。弟が英国在住で、英政府に手紙を出したが“市民を標的にするつ
もりはなかった。お気の毒”と木で鼻をくくった返事だった。いま、英国
政府を相手に訴訟を考えているという」
「北部モスルでは爆風で全身にガラスの破片を浴びた若い主婦がいた。
一緒にいた女児は死亡、妊娠中の赤ちゃんも流産し、本人も失明した。主
婦は米国で形成手術を受けたがっているが、暫定統治機構は出国許可を拒
んでいる。旧政権の残党が潜り込まないように、市民に恐怖を与え続けて
いるとしか思えない」
生死不明のフセイン元大統領について、人々は多くを語らないという。
復帰待望論も聞こえなかった。しかし、バグダッドの一部の上流階層を除
いては、反サダム感情を反米感情がはるかに上回っているという。
■トラックが撃たれ荷台の子ども3人死亡
「ナシリヤでは民間のトラックが米軍に撃たれた。荷台にいた三人の子
どもが死亡し、運転手は運び込まれた米軍の野戦病院で足を切断されたが、
すぐ追い出された。たった一人生き残った子どももこのとき、凍死してし
まった。この子はナシリヤの基地に埋められたが、両親は何とか取り戻し、
他の子たちと一緒に埋葬したいと必死だった」
電話、電気はいまも寸断されている状況だが、イラク人技術者は「発電
所は無事なので、許可さえあれば一週間で復旧できる。しかし、暫定統治
機構が認めないのだ」と話したという。
夜になると、銃撃音がよく聞こえた。米軍をフセイン前政権の残党が襲
撃していることもあったが、市民たちに武器が出回っているため、ちょっ
としたいざこざでも発砲が絶えないという。
米国は否定しているが、広河さんは劣化ウラン弾など放射性兵器の影響
も懸念している。今回、ガイガーカウンターも携行した。
「ナジャフ近郊で、イラク軍の戦車の残がいを測定したら、かつて取材
したチェルノブイリでも経験しなかったくらいカウンターの針が振り切れ
た。数年後、被害が表面化するだろう」
今国会で自民党が成立を目指すイラク特措法について、広河さんは「反
米感情が強まる一方のあんな所に自衛隊を派遣したらえらいことになる」
と懸念する。
「戦前は米国寄りと分かっていてもイラク市民は日本に好感を持ってい
た。しかし、今回は“よく来た”という声は聞けなかった」
「そもそもイラク国民の現状を調査せずして救援もない。日本は爆弾を
落とした側にいるのだから、できる限りのことをする義務がある。その点、
韓国の非政府組織(NGO)は医師や看護師を派遣し、感謝されていた。
日本もそうした目に見える支援をすべきだ」
広河さんは十六日午後六時半から「アメリカはイラクで何をしたか」と
題し、中央大学駿河台記念館(千代田区神田駿河台三)で帰国報告会を開
く。当日は「パレスチナが見たい」(TBSブリタニカ)の著者、森沢典
子さんも講演する。参加費は千円。問い合わせは「1コマ」サポーター事
務局=電045(894)0763。
広河隆一 ひろかわ・りゅういち
フォトジャーナリスト、作家。大学卒業後、イスラエルに渡り、帰国後、
中東諸国やチェルノブイリ原発問題など取材。レバノン戦争とパレスチナ
人キャンプ虐殺事件の記録でIOJ国際報道写真展大賞、よみうり写真大
賞受賞、写真記録「パレスチナ」(土門拳賞、日本写真協会賞年度賞)な
ど受賞多数。チェルノブイリ、中東問題でテレビ報道番組も多数制作。チ
ェルノブイリ子ども基金代表など。
なお、例のごとく英語の勉強と言うことで、対訳を「asahi.com/english/」で読んでいるが、タイトルは
>Let's dispatch real baseball players to Iraq
「イラクにプロ野球選手を派遣しよう」である。
6月12日朝日新聞の天声人語
■《天声人語》
90年の湾岸危機のとき、対応に苦慮する当時の海部首相にこんな提案
がなされた。米国の要請がどんなに強くても、憲法上「軍隊」の派遣は難
しい。そこで「プロ野球の選手を派遣したらどうか」というのだ。
「日本のプロ野球選手は、どこの国の兵士よりもコンディションは万全
なはずです。あれだけ走ったり練習を積んだりしていますからね」。とく
に体力のある清原選手らを推薦した。日米プロ野球の比較論などを書いて
いたR・ホワイティング氏の提案である(『ベースボール・ジャンキー』
朝日新聞社)。
来日したアーミテージ米国務副長官はイラク支援をめぐり、日本への要
請を野球にたとえて語った。湾岸戦争のとき、日本はとんでもなく高い入
場料を払って観客席で野球見物をした。「今度はフィールドに出てプレー
してほしい」と。
野球のたとえでくるなら、実際に野球選手を派遣しようと答えてはどう
か。そしてイラクの子どもたちに野球を教えることにする。「非戦闘区域
での活動」なら、派遣するのは必ずしも自衛隊でなくていいだろう。ただ、
現時点でプロ野球選手となると、好調タイガースのファンが許さないかも
しれない。
イラク戦争の開戦理由だった大量破壊兵器をめぐっては「捏造(ねつぞ
う)」「誇張」などいろいろ情報操作の疑いが出てきた。そもそも草野球
チームをプロ野球チームがたたきつぶすような戦争だったが、開始の時点
でごまかしがあったとすれば、「没収試合」である。
ただし、野球と違ってやり直しはきかない。傷跡ばかりが残る。