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【ワシントン佐藤千矢子】米国防総省の諮問機関・国防政策委員会のリチャード・パール前委員長(現・委員)は11日、ワシントン市内で講演し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核兵器開発計画への対応について、「サージカル・ストライク(特定目標だけに対する正確で迅速な空爆)を排除できない。必要なら米国単独で行う準備を常に整えておくべきだ」と述べ、米国が北朝鮮・寧辺(ニョンビョン)の核施設破壊だけを狙った局部攻撃を行う可能性を排除しないとの考えを表明した。
パール氏は「米国が中国、ロシア、韓国、日本を含む連合を効果的に結集し、北朝鮮を孤立させて核兵器開発計画を放棄させられるかを見なければならない。それが望ましい対処法だ」と述べ、国際的包囲網を構築して北朝鮮に外交的に核兵器開発計画の放棄を迫る現在のブッシュ政権の方針を支持した。
そのうえでイラン・イラク戦争中の81年6月、イスラエルがイラクのオシラク原子炉を完成直前に空爆で破壊したことを指摘して、米国が北朝鮮の核施設を同様に空爆で破壊する選択肢があり得るとの見解を示した。
パール氏は、新保守主義(ネオ・コンサーバティブ)の中心人物でイラク戦争の計画立案者と言われる。今年3月に国際通信会社やアラブの武器商人との不透明な関係を批判されて国防政策委員長を辞任したが、ラムズフェルド国防長官の要請を受けて委員にはとどまり、ブッシュ政権の外交・安全保障政策に大きな影響力を持っていると見られている。(毎日新聞)
[6月12日10時22分更新]
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