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(回答先: 「露が経済けん引」プーチン大統領怪 気炎 読売 投稿者 小耳 日時 2003 年 6 月 04 日 12:49:17)
【エビアン=古本朗】プーチン・ロシア大統領は3日の主要国首脳会議(エビア
ン・サミット)での記者会見の席上、イラン核疑惑が原子力「市場」からのロシア
締め出しを目指す「狡猾(こうかつ)な競争意図に利用されるのは絶対に許さな
い」と渋い表情で言い放った。
イラン核計画への懸念表明を含む主要8か国(G8)宣言採択(2日)への同意
が、同国で原発建設ビジネスを進めるロシアにとり、いかに「苦しい譲歩」(露政
界筋)だったかを象徴する言葉だった。
原発建設を含む対イラン核協力は同国の核兵器開発を進展させるとする米国に対
し、ロシアは、協力内容が「核拡散防止条約(NPT)や国際原子力機関(IAE
A)保障措置協定に違反しない」との論法で、ビジネスの正当性を主張して来た。
ところが、G8宣言で「核計画への懸念」共有を認めてしまった今、ロシアは自
ら「核兵器開発を進めている疑いが晴れていない」とみなす国家に、金もうけのた
め原子炉や核技術を提供しようとしている――との構図が浮かび上がってしまう。
「追加議定書締結などで、核疑惑が完全払拭(ふっしょく)されるまで、ビジネス
凍結という事態が到来する可能性は否定しきれない」(露政界筋)のだ。
アレクサンドル・ルミャンツェフ露原子力相は2日、タス通信に、イラン原発の
使用済み核燃料棒をすべてロシアに移送することで既に両国が原則合意していると
改めて強調。また、別の原子力省高官も3日、G8宣言がイランに、IAEAによ
る抜き打ち査察受諾に関する追加議定書締結を求めた点について、「議定書は、原
発建設推進の絶対条件ではない」と懸命に予防線を張った。10億ドルの利益を見
込むビッグ・ビジネスを失いかねない、との業界の焦りを示すものだ。
それなのに、露大統領がG8宣言をのんだ裏には、イラク戦争で冷却化した対米
関係を何とか修復したばかりの時期に、再び米国との緊張を高めたくない、という
判断がある。
サンクトペテルブルクでの米露首脳会談後の記者会見(1日)で、「米露はイラ
ン核計画への懸念を共有している」と明言するブッシュ大統領の言葉を、プーチン
大統領が無表情に聞いていた光景は、「懸念共有」が米国に押し切られた結果であ
ることを雄弁に物語っていた。ドイツ、フランスについても立場は類似している。
たとえIAEAにより核疑惑が払拭されても、米国がその解釈に同意する保証は
ない。今後ロシアは、イランを最大限の対IAEA協力に向かわせるための説得を
続け、ビジネス温存のため、米国の理解も求めるという、困難な二正面工作に汗を
流すことになろう。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030603id27.htm