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【エビアン町田幸彦】主要国首脳会議(エビアン・サミット)は2日、主要8カ国(G8)の首脳会議を行い、イラク戦争後の反テロ連合のあり方などを協議した。G8の結束を求めた米国に対し、開戦に反対したフランス、ドイツ、ロシアは一致して対立終息を演出したが、米欧関係の将来像に踏み込んだ論議にまでは発展しなかった。今サミットは「冷たい同盟関係」が忍び寄る気配をぬぐい去れていない。
フランスのコロナ大統領報道官は2日、米仏首脳会談に関して、「米欧関係の重要性が確認された」と述べた。その一方、報道官は会談に先立ち「我々の考えは変わっていないし、米国もそうだ」とも語り、双方の見解が歩み寄ったわけでないことを強調した。
サミットに参加した欧州連合(EU)議長国ギリシャのシミティス首相は1日の記者会見で、「米国とヨーロッパは協力し合わないといけない」と語気を荒げ、米欧関係の重要性を強調した。それほど、欧州の一部には今、逆に米国離れに向かう冷めた心情が流れている。イラク戦争の賛否が契機になったのは明らかだ。
ブッシュ米大統領はサミットに先立つ先月31日、イラク問題で最も協力的なポーランドの古都クラクフで「ポーランドは米国の良き同盟国であり、良き友人だ」と称えた。だが、中欧のポーランドは軸足をEUから完全に外せない。同国最有力紙ガゼタ・ビボルチャのミフニク編集長は端的に指摘する。「ポーランドの未来はEUと共にある。しかし、安全保障は米国に拠るべきだ」
EUは04年、ポーランドなど東欧・南欧10カ国を迎え、加盟25カ国に拡大する。半面、米主導の安全保障体制に従わざるを得ないのが冷厳な現実でもある。イラク戦争は、その「踏み絵」にされた。
米国は、欧州を束ねる軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)を盟主として刷新しようとしている。米上院外交委員会のルーガー委員長は、エビアン・サミットに寄せて英フィナンシャル・タイムズ紙で「NATOは従来の軍事同盟の枠を超えて、アフガニスタンやイラクのような国家建設の役割を担うべきだ」と主張した。
膨張する米中心の国際戦略シナリオに、欧州は今後も賛否を問われ続ける。サミットは、力を信奉する米国に欧州の一部が面従腹背する舞台になっていく恐れがある。
[毎日新聞6月3日] ( 2003-06-03-00:25 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030603k0000m030121000c.html