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【ワシントン斗ケ沢秀俊】イラクの大量破壊兵器所有の証拠が見つからないことで、米国の一部議員やメディアは「開戦前に情報操作があったのではないか」と疑問を投げかけている。ブッシュ政権は2日から新たに約1400人の兵器捜索グループをイラクに派遣する一方、開戦前の情報収集・分析活動についての検証作業を始めた。
連邦議会での追及の急先鋒は上院情報委員会に所属する民主党のロックフェラー上院議員。国連に提出された「イラクがニジェールからウランを購入しようとしたことを示すニジェール政府公式文書」が偽造と判明した問題を、開戦前から議会で取り上げていた。
同議員は米連邦捜査局(FBI)に調査を求めたが、明確な回答はなかった。5月29日の情報委員会では、共和党議員も同調し、国務省や米中央情報局(CIA)による調査を求めた。
ロックフェラー議員は「情報機関が偽造を見破れなかったのか、偽造の疑いを抱きながら政治的圧力に屈したのか。どちらのケースだとしても、問題だ」と述べた。
04年大統領選出馬を表明している民主党のグラハム議員も1日の米CNNテレビで「大量破壊兵器が見つからなかったら、深刻な情報活動の失敗か、情報操作を示す」と語り、政治問題にする意向を示した。
CIAは元CIA職員らによる調査チームを設け、開戦前の情報の再検討を始める一方、テネット長官が「情報活動は適切に行われており、批判は間違っている」との異例の声明を発表した。
CIAの調査の開始を報じた米ニューヨーク・タイムズ紙は社説で「イラクへの先制攻撃のために、データが操作されたとの疑問が生じている」と指摘した。
一方、米英首脳は強気の姿勢を崩していない。フランスで開催中の主要国首脳会議(エビアン・サミット)を前に、ブッシュ大統領はポーランドのテレビで「国連決議で禁止された生物兵器実験設備を見つけた」と述べた。米政府高官は1日の背景説明で、兵器材料が現存していなくても、実験設備の存在が生物兵器開発の事実を示すとの見方を語った。ブレア英首相もロシアのテレビで「大量破壊兵器は必ず見つかる」と繰り返した。
米国防総省は2日、デイトン陸軍少将の率いる兵器捜索グループを新たにイラクに投入した。5月30日に同省で会見したデイトン少将は「なぜ生物化学兵器が見つかっていないのか分からない。イラクがそれらを保有しているという、開戦前に米国が得た情報を信じており、見つけられるだろう」と語った。
[毎日新聞6月2日] ( 2003-06-02-19:40 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030603k0000m030057000c.html