★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 戦争35 > 169.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
株式日記と経済展望:対イラク戦争後の米国の国家戦略 米国軍は極東から撤退し中東に集中
http://www.asyura.com/0306/war35/msg/169.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 5 月 31 日 17:16:38:


サイト:http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu47.htm

2003年5月31日 土曜日

(前略)反米的な諸国に対して「強制的な民主化」を行うべきだという方針は、ブッシュ政権の中でも「ネオコン」(新保守主義)と呼ばれる、国防総省を主な拠点とする一群の政府高官たちが、以前から強く主張してきた。従来型の均衡戦略を主張してきた国務省系の人々など(旧保守主義)はこれに反対し、9.11事件以来、米政権内外のあちこちで対立が起きたが、ブッシュ大統領がイラク侵攻に踏み切り、しかも短期間で勝ったことで、ネオコンが政権中枢で主導権を握ったとされるようになった。均衡戦略のタガが外れたのでイラン、シリア、リビア、サウジアラビア、キューバ、北朝鮮、それから下手をすると中国まで、すべて政権転覆されるだろうと思われている。

だが、その後のアメリカは、少し違う方向に進み出している。その一つは、中東でイスラエルに譲歩を迫るパレスチナ和平「ロードマップ」に首を突っ込んだことだ。ネオコンはイスラエル寄りの勢力としても知られており、政権中枢を彼らが牛耳った以上、中東和平にアメリカが関与する必然性はないはずだ。和平計画に抵抗するイスラエル政府に対し、アメリカ側が強い態度に出ないため「ブッシュ政権はネオコンに牛耳られているという本質を隠すため、中東和平を進めるポーズをとっているだけではないか」という指摘もあるが、ブッシュ政権は、何らかの和平を実現させようと動き続けていることは確かだ。

(中略)日本は1960年代から、韓国や台湾は1980年代から、そして中国は1990年代に入って高度経済成長期に入り、主にアメリカ市場に向けて製品を輸出し、巨額のドルを稼ぎ出した。輸出業者がこのドルを自国通貨に両替してしまうと、自国通貨の対ドル為替が上がって輸出が減りかねないので、東アジア諸国の中央銀行はドルの外貨保有をなるべく多く持つようにした。その巨額資金は、利回りを求めてアメリカの金融市場に還流し、米国債や米国株の主要な買い手になった。

この仕掛けをフルに利用してアメリカ経済に未曾有の好況をもたらしたのが前任のクリントン政権で、「強いドル」の政策を打ち出し、アジアの投資家が安心してアメリカの金融商品に投資できる体制を作った。アメリカはドル札を刷るだけで、アジアからの輸入商品を安く買え、そのドルはウォール街に還流して相場を押し上げた。今や、米国債の45%、米企業の社債の35%を外国人投資家が持っており、その大半はアジアの顧客である。

(中略)すでに書いた経済的な理由から、ネオコン的な好戦政策が許されない以上、アメリカのアジア政策は旧来の延長になると思われるが、その場合、いずれ行き着くところは「アジアの自立」である。長期的に見ると、アメリカは国家経済的に下り坂にあり、アジアに大軍を維持しておく余裕が減っている。そのため、今回の北朝鮮問題でも、アメリカは中国に北朝鮮との交渉を押しつけ、中国に北朝鮮の経済的な面倒をある程度見させる代わりに、中国が朝鮮半島の問題に介入することを許している。これは、アメリカが朝鮮半島における覇権を手放し、その代わりに朝鮮半島は中国の覇権のもとに安定するという近代以前の状態に戻っていく可能性を秘めている。

アメリカがアジアでの自国の軍事覇権を手放す方向性を日本に当てはめると、日本がアメリカに従属するかたちの日米軍事同盟を、日本にとって有利なかたちに緩和し、日本が軍事面で自由な動きを少しずつ許されていく方向になると考えられる。その方向の一つの具現化が有事法制なのだろうが、昨今の日本の社会が抱えているのは、軍事的に自由に動いて良いと言われても、何をしたらいいか分からず困惑しているということではないかと思われる。だが、たとえばヨーロッパが国際紛争の解決のために欧州軍を維持しているように、自覚的に軍隊を持つという選択肢はあるはずだ。(後略)


ネオコンと有事法制 田中宇 ニューズ・ウェブ・ジャパン:http://kodansha.cplaza.ne.jp/broadcast/special/2003_05_28/index.html

ポール・クルーグマン教授やアラン・グリーンスパンFRB議長の、アメリカ経済の見方を紹介したところで、米海兵隊の沖縄からの撤退のニュースが飛び込んできました。この二つのニュースはアメリカの国家戦略に絡んだ動きであることが、田中宇氏の論説を読むとわかる。

アメリカの権力中枢は、アメリカの国力があと数年で衰退していくことがわかっており、大規模な海外兵力の再編を迫られている。チェイニィー副大統領がレポートしたとおり、アメリカは国内の油田が枯渇し、7割近くを海外から石油を輸入するようになる。

イラクはサウジアラビア以上の石油埋蔵量があるとされている。だからこそアメリカは世界の反対を押し切ってイラクを侵略した。さらにアメリカはイランの石油をも狙っている。アメリカがこれほど石油にこだわっているのは、アメリカが石油によって成り立っている帝国だからだ。

アメリカもソ連も人工的に作られた石油帝国という兄弟国家であった。そのソ連は新たなる油田の開発に失敗し崩壊した。アメリカも中東の油田地帯の占領に失敗すれば、崩壊するのは火を見るより明らかだ。ベネズエラの石油がストップしただけでアメリカの石油在庫は底をついた。

だからアメリカはヨーロッパや極東から兵力を引き抜いて、中東に回さなければならない。この戦略はネオコンの戦略と石油財閥の戦略とが一致して成り立つ。力ずくでアメリカは中東の石油を独り占めするつもりだろう。しかしそれは上手くいくのか。ソ連ですらアフガニスタンを制圧できなかった。米軍は空爆は出来ても対ゲリラ戦は弱い。

アメリカと東アジアの関係は生産と消費、ドルを媒体とした循環システムが出来上がっている。それを維持するためには北朝鮮をイラクのように攻撃するのはアメリカの利益にならない。むしろ北朝鮮を中国のように改革開放させて循環システムに組み込んだ方がアメリカの利益になる。

日本は他のアジア諸国のように低賃金で生産する経済ではない。むしろアメリカのように投資をして製品を輸入して円を輸出する循環システムを作ろうとしている。日本も東南アジアや中国から輸入する代わりに、日本円や日本国債を買わして国際化を図ってゆくべきだ。

その為には円や国債という紙切れを通用させるのだから、米国のような海外展開できる軍隊を持つことが必要だ。そうしなければ円の国際化は難しい。だからこそ憲法は改正すべきだし、アメリカが認めれば核武装も必要だ。原子力潜水艦や宇宙兵器の開発も必要になる。これこそが日本の戦略として必要だ。


 次へ  前へ

戦争35掲示板へ



フォローアップ:

全★阿修羅♪=
 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。