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米大統領補佐官:拉致解決「米も優先」 本社などと会見で [毎日新聞]
http://www.asyura.com/0306/war35/msg/162.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 5 月 31 日 16:51:00:


 【ワシントン河野俊史】ライス米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、1日からの主要国首脳会議(エビアン・サミット)を前に毎日新聞など一部の外国報道機関と会見し、イラク戦争後の外交・安全保障問題を中心に米政府の見解を明らかにした。この中で、同補佐官は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致事件を米政府としても「優先事項」に位置付けていることを明確にするとともに、核兵器開発をめぐる北朝鮮の「脅迫」を強くけん制した。また、イラク戦争を支持しなかった国々への「失望」を表明する一方、国連安全保障理事会での対イラク制裁解除決議の採択(今月22日)が関係修復のスタートになり得るとの見方を示した。

 会見は29日に、ホワイトハウスの執務室で行われた。米国を除く主要8カ国(G8)から1社ずつ計7社が参加した。

 ライス補佐官は今月23日の日米首脳会談を踏まえて、日本人拉致事件について「米国にとっても優先事項であり、北朝鮮のしたことを忌み嫌っている」と明言、すでに北朝鮮との交渉の議題に含めていることを明確にした。また、核兵器開発問題では「どんな選択肢も排除できない」と強硬姿勢に含みを残す一方で、現時点では日本などの関係国が一体となって「国際社会に対する脅迫は決して通じない」ことを北朝鮮に示すことが重要だとの考えを示した。

 イラク戦争については、フランス、ドイツ、カナダなどの「友人」たちの支持を得られなかったことに、繰り返し「失望」を表明。国際社会の安全確保に関して、米国が「不釣り合いに」重い責任を負わされているとの認識を明らかにした。一方で、関係修復の重要性に言及し、独仏も含めて14対0で採択された対イラク制裁解除決議が、その出発点となることを強調した。

 さらに、同補佐官はイランの核兵器開発疑惑について「平和的な核研究や民生用原子炉の核開発という名の下に、核兵器計画につながるプログラムが覆い隠されてきた」と指摘。この問題の解決のために、ロシアの積極的な協力が不可欠との考えをあらためて示した。また、テロ組織「アルカイダ」の指導者たちをかくまい、世界中のテロリズムを支援しているとして、イランの現政権を強く非難した。

 同補佐官は中東和平に関し、新和平案「ロードマップ」の履行にあたって、アラファト・パレスチナ自治政府議長の関与を一切、排除する米政府の姿勢を強調した。

[毎日新聞5月31日] ( 2003-05-31-15:00 )

http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20030531k0000e030052000c.html


米大統領補佐官:会見要旨 [毎日新聞]


 ●イラク戦争

 国際社会の安全確保や自由の拡大などの価値観を共有してきた(フランス、ドイツ、カナダの)友人たちが、安全保障にとって極めて重要な事柄(フセイン政権の脅威)について米国を支持してくれなかったことは期待はずれで、失望した。

 第二次世界大戦で米国はフランスの解放のために血を流した。それなのにフランスはイラク解放が価値ある大義だと考えられないのか。米国人には理解できなかった。

 今、重要なのは、どうやって前に進むかだ。国連決議1483(対イラク制裁解除決議)はよいスタートだ。14対0という安保理決議を予想した人は少なかっただろう。それはイラクの民衆にとっての勝利だ。

 ●イランの核開発

 平和的な核研究や民生用原子炉の核開発という名の下に、核兵器計画につながるさらに大きなプログラムが覆い隠されてきた。ロシアとは協議を続けている。民生用の核開発を軍事目的に利用させないという点で、お互いの理解に一定の進展があったと思う。

 イランの政権は民衆(の要望)に応える存在であってほしい。民衆は女性の権利を擁護する近代的な政権を望んでいる。しかし、現政権はその切望に応えず、世界中のテロリズムを支援する計画を進めている。アルカイダの指導者たちをかくまい、問題に対処しようとしない。選挙で選ばれた政権らしい行動を始めるべきだ。そうさせることが米政府の政策だ。

 ●邪悪な政権

 (フセイン政権のような)「邪悪な政権」(バッド・レジーム)はそれ自体が大きな脅威だ。他の邪悪な政権を援護し、支持する結果になるからだ。国際社会がそれを許さないことを示すことは、すべての邪悪な政権への重要な教訓となる。イラクでは、民衆が貧窮する一方で、政権が巨大な富を手に入れて浪費していた。スターリンやヒトラーの全体主義体制以来の残忍さだった。

 ●中東和平

 パレスチナの民衆はテロと戦う指導者を必要としている。それはアラファト(パレスチナ自治政府議長)ではない。未来は新しい指導者にかかっている。世界がそのために結集して支援できるかが問われている。民衆のためのパレスチナ国家実現への道に、アラファトは立ちはだかるべきではない。

 ●北朝鮮

 どんな選択肢も排除できない。しかし、大統領は(核開発)問題の平和的解決は完全に可能だと信じている。今、重要なのは、日本、韓国、中国、ロシアをはじめ、すべての国が北朝鮮に対して彼らのやり方では窮状の解決にならないことを明確に示すことだ。

 私たちは北朝鮮との話し合いを恐れてはいないし、いつでも多国間協議に応じることを伝えている。ただし、それは北朝鮮がスタンドプレーをしたり、脅迫を試みたりする場であってはならない。関係諸国の一体化した態度が重要だ。

 大統領は日本人拉致事件が米国にとっても優先事項であり、米国が北朝鮮のしたことを忌み嫌っていることを明確にしている。北朝鮮とたびたび話しているわけではないが、拉致問題は議題になっている。

[毎日新聞5月31日] ( 2003-05-31-15:00 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030531k0000e030064000c.html

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