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(回答先: 「邪魔な奴は、撃ち殺すしかない」 −占領軍兵士の実態: 英イブニング・スタンダード紙 投稿者 TUP速報 日時 2003 年 6 月 23 日 09:28:05)
[TUP-Bulletin] TUP速報 116 号【訂正版】
【昨日配信の速報116号は訳者がまだ推敲中のものを誤ってお送
りしてしまいました。謹んでお詫びし、完成稿をお届けします
萩谷/TUPスタッフ】
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イラクで反米感情が高まっています。ブッシュ大統領の勝利宣
言後、2月近くたっても、イラク人によるデモとそれを取り締
まる米兵の間で血なまぐさい事件が後を絶ちません。イラクで
何が起きているのか、アメリカ本土でも、疑問が高まっていま
す。このインタビューは、現場の米兵側の生の声を伝える貴重
な記事です。
(丸田由紀子 / TUP)
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「邪魔な奴は、撃ち殺すしかない」 −占領軍兵士の実態
2003年6月19日
ボブ・グラハム
英イブニング・スタンダード紙
占領下のイラクで何が起こっているのか。ジョージ・ブッシュ
が勝利を宣言してから7週間、またイラクで米兵が殺され、占
領軍運営の人道的支援組織が襲撃された。「戦後」の米軍死者
は、50名近くに達するという。
本紙が敢行したバクダッド占領軍のインタビューでは、歓迎さ
れない占領地の暑熱の中であせりと怒りをつのらせる米兵達が
、民間人の無差別殺害、負傷した敵側戦闘員の見殺しまたは殺
害という驚くべき事実を告白した。これら米兵は、一見したと
ころ、共通の目的のため団結したハリウッド風の勇敢で正直な
兵隊達のようにみえる。しかし、彼らの告白の内容は、米英の
政治家や将軍連が恐れるイラク解放のベトナム化を予言する不
吉なものだ。ベトナム戦争では、米兵達のふるまいが、ベトナ
ム人の憎しみをかきたてた。
第3・第15歩兵師団ブラボー中隊のジョン・メドウズ一等軍曹
(34)は、「誰が殺意を持っているか、誰がそうでないかなん
て、区別できっこない」と、市民を装った敵側戦闘員とともに
、何百人もの罪のない民間人の殺害を発生させた心理状態を告
白する。
彼の所属するブラボー中隊は、どうしようもない状況に陥って
いる。ブッシュ大統領が軍事行動終了宣言をした5月1日以来、40
人以上もの仲間が殺され、ゲリラ襲撃の数も上昇する一方なの
だ。兵士達は、憤慨した住民と、彼らの背後に隠れた、旧政権
にまだ忠誠心を抱くゲリラに取り囲まれている。なかでも、「
ザ・ハンター」というあだ名で呼ばれるゲリラは、今週で、も
う6人目の米兵を殺したいう。
このゲリラは、特別共和国親衛隊の前隊員といわれ、一部イラ
ク人の間で熱狂的な崇拝の的となっている。「ザ・ハンターは
、一人でイラクのために戦っているんだ。彼を止めることなん
てできないから、もっとアメリカ人が殺される。みんながハン
ターをかくまい、彼が決行する襲撃には、家を使わせてやるだ
ろう」と、バクダッド市民、アサド・アル・アマリは語る。
このような敵意に満ちた雰囲気のなかで、ブラボー中隊の兵士
達は、秩序を維持すると同時に、住民の心をつかまなければな
らないのだ。これは、解決できそうもないジレンマである。本
紙のインタビューは、バクダッド郊外ファルージャの基地で行
われた。ここは、戦後まもなく、サダム支持のデモで米兵が18
人ものイラク人を殺し、住民が復讐を誓っている地域なのだ。
マイケル・リチャードソン特技兵(伍長・22)は、このような
危険に対する隊員の態度を、次のように要約する。「軍服を着
ていない人間を撃つことにジレンマなんてなかった。俺は、た
めらいなく引き金を引いたよ。それは、すぐそこで起き、差し
迫ったことだったんだ。そこにいる奴らは、軍服を着ていよう
がいまいが、敵だったんだ。撃った相手は、軍服の奴もいたし
、そうでない奴もいた」
アンソニー・カスティーロ特技兵は、「そこには民間人達がい
たが、俺達は、なすべきことをした。彼らは、間違った場所に
いたんだ。だから、敵とみなされたんだ」と付けくわえる。バ
クダッド南端の主要高速道路のインターセクションで起きた大
戦闘では、400名ぐらいの敵側戦闘員の70パーセントが民間人
の服装をしていたという。
メドウズ軍曹は、「戦闘は、8時間も続き、奴らは、あらゆる
所から、あらゆる方向から、一日中たえまなく襲ってきた。奴
らは、みんな平服だった」と説明する。
「我々は、数日前に空からビラをまいておいた。戦いたくなけ
れば、その地域を退去するよう警告するビラだ。だから、基本
的に、そこにいた奴らは、みな戦闘員さ。タンクの前に立ちは
だかったり、タンクに向けて車を走らせるような馬鹿なことを
する奴らは、戦うためにそこにいたのさ。あの日、誰を撃つか
撃たないかなんてジレンマは消えた。そこにいる奴らは、みん
な戦闘員とみなした」
リチャードソン伍長は、「あの日は、訓練で教えられたような
ことは何も起こらなかった。女も戦っていた。俺達が前進する
と、奴らは、武器を放棄して、降参しようとした。ある者は撃
たれ、死んだふりをした。そして、俺達が近づくと、武器に手
を伸ばしやがった。あの日は、何でもありだったよ。女だろう
と負傷者だろうと、武器をつかもうとする奴らは、やっつける
だけだ。それしかないんだ」
兵士達は、憎しみがあまりに強かったので、たんに
負傷させるのではなく、殺す方を好んだ。メドウズ軍曹は、「
最悪なのは、誰かを撃って、負傷したそいつを助けにいくこと
だ」という。エイドリアン・ペドロ・キノーネス三等軍曹(26
)が話に割り込んできた。「彼らは、俺の部下を撃っていた奴
らだ。奴らのやろうとしていたことは、俺の仲間を棺おけに入
れて、8フィート下の地下に埋めることだったんだ」
「そして、今、奴らは、そこに横たわっていて、俺は、そい
つらを助けなければならないし、部下にもそうさせる責任があ
るんだ」。リチャードソン伍長も話に加わる。「くそ!
どいつも助けてなんてやらなかった。俺は、いやだったんだ。
何人かは勝手に死ぬよう放って置いた。一発おみまいして、片
付けてやった奴もいたぜ」
伍長は、手を伸ばして銃を撃つ構えをし、2回、舌打ちをした
。「いったん目標を達成したら、つまり、敵を撃ちたおしたら
、前進して、途中で遭遇する奴は誰であれ、また撃つんだ。戦
争捕虜なんていらなかった。戦闘中は、奴らを憎み、恐れる気
持ちがとても強い。この気持ちをうまく伝えることなんてでき
ない。とにかく、奴らを生かしてなんておけなかった」
兵士達は、他のアラブ諸国からの戦闘員とも戦った。メドウズ
軍曹は、「俺達が殺ったのは、イラク人だけじゃなかった。奴
らは、シリア人だった。俺は、そいつらの何人かと話した。サ
ダムは、アラブの兄弟達に、俺達に対する聖戦を呼びかけたん
だ。奴らは、俺達と戦うためにやってきたそうだ。俺達が奴ら
に何をしたっていうんだ?」と驚く。
リチャードソン伍長が口をはさむ。「くそ!奴らが誰だろうと
構うもんか。奴らは、俺達と戦いにきた。だから、奴らは敵だ
。俺達は、バクダッドを占領する必要があった。それだけさ。
バクダッドにいる敵が誰だろうと知ったことか」
兵士達は、バリケードでの民間人射殺についても語った。メド
ウズ軍曹は、次のように回想する。「奴らが白旗を揚げたとき
は、400メートル手前で止まるように命じた。次に、裸にして
、(問題がなければ)通過させた。大方の奴らは、命令に従っ
た。しかし、白旗を掲げて、こちらに降参してくるイラク人の
中には、問題を起こす奴らもいるってことを、俺達は知ってい
た。奴らのやろうとしたトリックは、みんなお見通しだったぜ
。車を使って、俺達めがけて突っ込もうとした奴らもいた。あ
の日は、たくさんの車を撃ちまくったよ」
「俺達は、威嚇射撃したが、奴らは止まらない。だから、殺し
たんだ。威嚇射撃は、奴らの頭上や道路にした。俺達が民間人
を殺したって非難するが、民間人なんていったって、奴らは戦
闘員だったんだ。そして、今でもそうなんだ」
しかし、兵士達は、それらの経験によって精神的にショックを
受けている。リチャードソン伍長は、「夜になると、殺した奴
らのことを考える。どうしても頭を離れないんだ。どれもこれ
もだ。忘れることなんてできない。まだここにいるからさ。こ
んなに長くたっているのに。ふつうなら、戦闘が終わったら帰
れるのに、俺達は帰れない」
メドウズ軍曹は、彼の部下達がひどいうつ状態で、助けを求め
ているという。「彼らは、すでに精神科医に見てもらっている
。米軍の指揮系統には、医者達から、”これらの兵士は、この
環境から去る必要がある”という手紙が戻ってきている。だが
、なにも起こらない」。リチャード伍長は、さらに、「ちくし
ょう!夜になっても眠らない奴らもいる。なにかを夜通しやっ
て起きている。忙しくして、この悪夢を忘れたいんだ。奴らに
はそれしかできない。気狂いとあまり変わりないが、こ
れが奴らの対処法なのさ。基地の裏手にプールを作ろうとし
てる奴もいる。馬鹿なことさ。だけど、これで、忙しくしてい
られるんだ」
「俺自身にとっては、スナップ・ショットみたいなものだ。舌
の上にわいたうじ、頭が切断されて地面にころがっている赤ん
坊、頭が半分吹き飛ばされて大きく眼と口を開いた男達。毎日
、毎晩、目の前に現れる。あの臭い、燃えている胴体。3月20
日から4月7日まで、バクダッドにいたる全ルートで、焼け焦げ
た死体以外、なにもなかった」
ブライアン・バーンハート特技兵(21)も話に加わる。「俺も
、頭の中にスナップ・ショットのようなイメージが浮かぶ。分
捕った場所を確保しに戻ったとき見た死体だ。死体は、まだそ
こにあり、陽に焼かれていた。奴らの死体は、生きていたとき
の3倍に膨れ上がっていた」
キノーネス三等軍曹は、「精神科医達が、そういう連中の問題
を解決しようとしているが、それらの問題は、長くつづく戦闘
環境のせいだといっている。彼らは知っているんだ。俺達がこ
の環境から離れる必要があることを」という。しかし、ブラボ
ー中隊の軍務は延長され、兵士達は、ピースキーパーとして残
ることを強制されている。リチャードソン伍長は、「今は、平
和維持活動をやらされている。俺達は、聞く耳もたない連中に
向かって、威嚇射撃を発射しつづけている。手探りで、自分達
でルールを決めていくしかないんだ」
「たとえば、ファルージャでは、奴らは、俺達に向かって、子
供達に石を投げさせる。振り返って、くそったれ小僧の一人を
撃ってやりたい。だが、そんなことできないのだ。子供達の親
は、自分達が石を投げたら、俺達が撃つことを知っている。だ
から、子供にやらせるんだ」。メドウズ軍曹が口をはさむ。「
想像できるかい?兵隊であること、戦争しろと命じられ、終わ
ったら家に帰れると言われた兵隊であることがどんなものか」
「俺達は、その戦争を遂行し、決定的な勝利をえた。それなの
に、今度は、そこに留まって、状況を安定させろといわれる。
完全な戦闘モードから平和維持活動モードに一晩で変わらなけ
ればならない。殺そうと襲いかかってくる連中を撃った直後に
、今度は、奴らを助けなければならないんだ」
兵士達の上官に対する怒りは明白だ。リチャードソン伍長は、
「この平和維持とか何とかについては、訓練なんかされてない
。ここに足止めされていることが、俺達を憤慨させている。だ
れもが、いらいらしている。戦争が終わったら、交代要員が到
着しだい、帰国できると言われたんだ。交代要員はきたよ。だ
けど、俺達は、まだここにいる」
カスティーロ特技兵は、「こういった決定を下し、自分じゃ戦
闘せず、撃たれることもなければ、血だらけの死体や焼け焦げ
た死体、死んだ赤ん坊なんかを見る必要のない将軍連中に腹が
立つんだ」という。キノーネス三等軍曹は付け加えて、「兵隊
達のほとんどは、10代後半から20代前半なんだ。そういった若
者達が、ひと月にも満たないうちに、男が一生かけて見る以上
のものを見てしまった。俺達は、もう家に帰るべきなんだ」
対イラク戦争に戦う価値があったかどうかについては、「イラ
クなんてどうなろうが知ったことじゃないよ。全然関心がない
んだ。サダムがまだ権力を握っていてもかまわない。俺にとっ
ては、家族を離れて、撃たれたり、二度も三度も死線をさまよ
ったりする価値なんてなかった。俺にとっては、まったく価値
のないことさ」と、メドウズ軍曹はいう。
しかし、たとえイラク人がだれも関与していなくても、サダム
が背後にいたという証拠がまったくなくても、世界貿易センタ
ーへの攻撃は、リチャードソン軍曹ほか、多数の兵士達に、イ
ラク侵攻の正当な理由を与えている。
「俺のベッドのそばに、世界貿易センターの写真がはってある
。ケブラー(防弾チョッキのこと)の中にも一枚入れている。
写真を眺めて犠牲者のことを想うたびに、俺は思うんだ。”奴
らは、俺達の母国を攻撃した。今度は、俺達の番だ”って。俺
は、仕返しなんて言いたくない。だけど、わかるだろう?やっ
ぱり、仕返しなんだ」
http://www.thisislondon.com/news/articles/5401680?source=Evening%20Standard
"US troops 'shoot civilians"
(抄訳 丸田由紀子 / TUP)
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