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【主張】共産党綱領改定案 階級政党のあがきに映る
共産党は中央委員会総会で、四十二年ぶりとなる党綱領の大幅改定案を提示した。十一月の党大会で正式決定する方針だ。改定案では現綱領が否定していた自衛隊と象徴天皇制を条件付きで容認するなど、不破哲三議長−志位和夫委員長が進めてきた柔軟・現実路線を一歩進めた格好になった。
しかし、今回の改定案をみると「革命政党」としての本質を変えるには至っておらず、旧ソ連崩壊から続く党勢低迷からの脱却を図るための擬態としか思えない。
宮本顕治元議長の主導の下でつくられた現在の綱領は、「アメリカ帝国主義」と「日本独占資本」を「二つの敵」と位置付けるとともに、「民主主義的革命」と「社会主義的変革」を経て、社会主義社会を建設するという「二段階革命」論を柱としている。
今回の改定案では、「アメリカ帝国主義は、世界の平和と安全、諸国民の主権と独立にとって最大の脅威」「日本の独占資本主義と対米従属の体制を代表する勢力から、日本国民の手に権力を移す」と改め、「二つの敵」論を大きく後退させた。一方、「二段階革命」論は維持したものの、社会主義的変革については「長期の過程」とした。こうした見直しは表現をオブラートに包んだにすぎない。
綱領の下位の文書である党規約には、共産主義政党の根幹をなす「日本共産党」の名称と一握りの党指導部による独裁を可能にする「民主集中制」が明記されている。規約は党員の行動規範となるものであり、その内容を改めない限り、党の本質がなんら変わるものではないことは明らかだ。
共産党は、平成十年の参院比例代表で過去最高の八百二十万票を獲得したが、十三年には四百三十二万票に半減した。今春の統一地方選でも党勢の衰えに歯止めはかからなかった。党員の高齢化と機関紙「しんぶん赤旗」の部数の落ち込みも深刻だという。
今回の改定は、当面の目標である「二十一世紀の早い時期での民主連合政府の樹立」に向け、野党連携の障害を取り除き、次期衆院選での無党派層のとり込みを狙ったものであろうが、有権者の目には歴史の流れに置き去りにされようとしている階級政党のあがきにしか映らないのではないか。