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<大手百貨店>ハウス・カード戦略見直し相次ぐ (毎日新聞-全文)
2003年6月21日(土)18時7分
大手百貨店が自社で発行するハウス・カードについて戦略の見直しを進めている。これまでは会員を一人でも多く確保することで顧客拡大を目指してきたが、ここに来て各社ともに、年間購入金額の多い「売り上げに結びつく顧客」を重視する姿勢を鮮明にし始めた。かつては「小売の王様」と言われ、豊富な品ぞろえと客数を競い合ってきた百貨店だが、専門店の台頭やデフレ不況の長期化で構造的な売り上げ減が続き、高額の買い物が期待できる“お得意客”にターゲットを絞らざるを得なくなったようだ。
高島屋は10月から、自社発行の「タカシマヤカード」(約320万口座)に年会費制度を導入、代わりにポイント割引率を7%から8%に上げる。これまで年会費は無料だったが、カードの稼働率向上とサービス対象の絞り込みを図るため、あえて年会費制度を導入するという。
三越は加入数184万口座、割引率5%の三越カードと、古くからの得意客を対象にした割引率7%の「お帳場カード」(約20万口座)がある。このうち「お帳場」だけで、年間売上高は約830億円。三越全体の売上高の約13%を占めており、カード利用の売上高の35%に上る。三越では数年前から「お帳場」対策として、「お得意様営業部」を新設、客ごとに担当社員を決めてサービスを強化している。
一方、伊勢丹ではカード(130万口座)のうち、年間使用額が100万円を超える割合は6%弱にすぎない。ところが、その売り上げは伊勢丹全体の3割強を占めるため、年間カード使用額100万円以上の顧客にポイント割引率10%などの特典をつける「得意客対策」に乗り出した。
大手百貨店の多くが「口座数も大事だが、今はすそ野の拡大より山の高さが重要」(三越幹部)との戦略にカジを切りつつある。背景には「誰でも持てるカードは売り上げにつながらない」(大手百貨店)という苦しい事情もあるようだ。【斉藤信宏】
[毎日新聞6月21日] ( 2003-06-21-18:07 )