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福岡市東区の一家四人殺害事件では中国人元留学生らの関与が疑われ、逮捕者も相次いでいる。増え続ける中国人留学生や就学生、そして犯罪。彼らに注がれる周囲の目は厳しくなり、アルバイトをやめさせられた中国人もいる。夢をかなえるための日本でどんな暮らしをしているのか。受け入れ側に問題はないのか。学生や学校関係者に探った。 (社会部・江藤俊哉、重川英介)
■不法覚悟で就労も 日本語学校 安易な募集が背景
「中国人怖い」
「怖いよねえ。中国人は」。客の話題に一家殺害事件が上る。「ごく一部です。大勢の学生はまじめですよ」。劉秀花(26)=仮名=の語気がつい強くなった。
福岡市・中洲。秀花は中国人留学生。毎夜スナックで働く。店に勤めて三年。客のわい談も笑顔であしらえるようになった。郷里の大学を辞め、日本語学校の就学生として来日。今、大学四年。卒業後は帰国して日系企業に就職するつもりだ。
一年目は会社経営の父が毎月十万円送ってくれたが、二年目から自分で稼ぐ約束。料理店で働いたが時給七百円で足りない。つてを頼りホステスを始めた。
時給二千円。月二十万円はもらえる。アパートの家賃、食費や光熱費などで十四万円。残りはほとんど学費に消える。
不法就労だと分かっている。見つかれば強制送還されるかもしれない。だが、稼げる仕事はほかにない。
国籍でクビに
学生にアルバイトをあっせんする福岡市の内外学生センター福岡支部・福岡学生相談所。求人票を張るフロアの壁は空欄が多く、訪れる学生もまばらだ。
登録している留学生は三月末現在で八百五十六人。一方、留学生対象の求人件数は長引く不況の影響で減り続け、昨年度中は前年度より二割落ち込んだ。
早田功・留学生係長は「ほとんどが短期の仕事で、二十人の求人に四十―五十人が殺到する状態」と話す。
中国人というだけでアルバイトを首になった留学生の話もある。求職難が犯罪に手を染めるきっかけになっていないか。関係者には懸念の声も聞かれる。
予備校も参入
「日本に来ればアルバイトが簡単に見つかると吹聴し、安易に学生を集める学校が多すぎる」
福岡市の日本語学校「福岡日本語センター」の岩崎隆次郎理事長は指摘する。
同校は九五年から、学生に学費や滞在費など約百八十万円(一年分)を前納させる。勉強に集中できる環境が整えば、道を踏み外す学生は減るという考えだ。
日本語学校に来る中国人の留学生や就学生は現地の仲介業者からあっせんを受ける。認定業者の周辺にはブローカーまがいの業者もたむろする。
同校は仲介業者を厳選した上で、スタッフを中国に派遣して入学希望者を面接している。
九〇年代半ば、就学生の集団失跡事件などが相次ぎ、入国審査が厳格化。五万人近くいた就学生は三万人以下に激減。日本語学校もピーク時の五百校近くから半減した。
危機感を強めた学校側は学生の資力担保や生活管理などを強化。就学生数は増加に転じ、昨年末には約四万七千人にまで回復した。
「『冬の時代』に、いいかげんな学校は淘汰(とうた)された。だが、学生数の回復で問題のある学校がまた増えている」と岩崎理事長。
不況で買い手の付かないビルを抱え込んだ不動産業者や、少子化で経営の苦しい予備校の新規参入が目立つ。「もうけるため、意欲も金もない生徒を集める。今の就学生の三分の一は本当は来てはいけない学生だ」
岩崎理事長は、受け入れ側の安易な姿勢が中国人犯罪の増加を招くことを心配している。
■日本語学校生の生活
日本語教育振興協会の調査(2001年)によると、日本語学校生の月平均収入は13万6000円。79%の学生がアルバイト収入があり、平均9万1000円。うち65%が飲食業。次いで営業販売(10%)、配達・配送(7%)。アルバイトの理由は68%が「生活維持」、「教養娯楽費のため」は5%だった。61%の学生は実家から仕送りがあり、平均7万3000円。支出では学習費(授業料含む)が5万3000円、住居費3万4000円、食費2万4000円だった。(西日本新聞)
[9月8日2時43分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030908-00000024-nnp-kyu