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清掃用品レンタル大手「ダスキン」(大阪府吹田市)を巡る不正支出事件で、商法の特別背任罪に問われた同社元会長・千葉弘二被告(63)ら3人の初公判が22日、東京地裁(山崎学裁判長)で開かれ、千葉被告は「不正支出を指示したり、関与したりした事実はない」と無罪を主張した。
同社元専務・芝原修一被告(62)、広告代理店「スパイス」(清算)の元社長・伊藤邦男被告(58)は、「ご迷惑をかけました」などと述べ、起訴事実を大筋で認めた。
検察側の冒頭陳述によると、千葉被告は社長だった1999年3月ごろ、ゴルフ仲間の伊藤被告から「借金が2億円くらいあり、返せないと倒産する。助けてください」と懇願され、ダスキンが展開する「ミスタードーナツ」の販売促進用景品の製造を利用し、資金援助する方法を提案された。千葉被告は「要は君のところに金が流れればいいんだろう」と承諾し、芝原被告に「スパイスを援助してやってくれ。1年で1億、2年で2億くらい出来ないか」と指示した。
さらに、千葉被告らが吹田市の同社研修センターに集まった際、同被告は、景品1個当たり3円の架空のデザイン料を上乗せしてスパイスに資金提供することを決め、「上乗せ分は(ダスキンに)請求してもろたらええ」と述べたという。
これに対し、千葉被告の弁護側は「ドーナツの景品については芝原被告が最終決裁権者で、千葉被告は意思決定に関与していない」と主張。千葉被告も被告人質問で、「(景品の)詳しいことは分からない。不正があったと聞いた時は信じられなかった」と述べた。
起訴状などによると、千葉被告らは99年7月から2001年4月、ミスタードーナツの販促用景品のデザイン企画をスパイスに請け負わせたように装い、デザイン料名目で約1億8500万円を不正支出して、ダスキンに損害を与えた。
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ダスキン事件は土屋義彦・前埼玉県知事が辞職に追い込まれるきっかけとなったが、初公判の検察側冒頭陳述や被告人質問では、ダスキンから1000万円余の提供を受けていた前知事の長女・市川桃子被告(53)(政治資金規正法違反で起訴)のコンサルタント会社などについては、まったく触れられなかった。
兵庫県西宮市から上京し、公判を傍聴した「全国ダスキン愛の店加盟店連合会」専務理事の大西大朗さん(45)は、「不正はかなり広く行われていたはず。当時、千葉被告の指示で動いていた現経営陣の責任も全く問われていない」と納得いかない様子。
同会は、千葉被告や現経営陣による直営店重視の経営方針で損失を被ったとして、近く、ダスキンに約5億1000万円の損害賠償を求める訴訟を起こす予定だ。別の同会幹部は「身内や特定の取引先に利益誘導しようとする会社の体質は変わっていない。個人犯罪として問題を終わらせるわけにはいかない」と話した。
一方、ダスキンは来月にも、特別背任罪に問われた千葉、芝原修一、伊藤邦男の3被告を相手取り、不正支出分の賠償を求めて提訴する方針だ。
(2003/8/22/20:18 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20030822i208.htm