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菅藤藍さんの遺体が見つか
った美の山公園観光道路。
この先約300メートルの
斜面で遺体が発見された=
秩父市黒谷
異様な展開 アパートで何が 熊谷の殺人・拉致 (埼玉新聞)
http://www.saitama-np.co.jp/news08/20/21x.htm
菅藤藍さんの遺体が見つかった美の山公園観光道路。この先約300メートルの斜面で遺体が発見された=秩父市黒谷
http://www.saitama-np.co.jp/news08/20/21x.htm
熊谷市箱田のアパートで男性が殺害された事件は、女性三人が拉致されて殺傷されるという異様な展開を見せている。「死体を見ただろう」と女性を脅し、消えた男女三人。アパートでは何が起きたのか。県警は百四十人体制で、黒っぽい乗用車で逃走した男らの行方を追っている。
殺害された鈴木秀明さん(28)が勤務していた飲食店関係者によると、十八日午後一時すぎ、鈴木さんの部屋から「この野郎」と怒鳴り声が聞こえたという。女性三人は直後の午後一時三十分すぎに、アパートから拉致されたとみられ、熊谷・秩父署の合同捜査本部は関連を捜査している。
鈴木さんはさいたま市内の系列店に勤務後、今年六月ごろから本庄市内の飲食店で働いていた。同店マネジャー男性(28)が十八日午後一時二十分ごろ、「遅刻しないように」と鈴木さんの携帯電話に連絡。通じなかったため、殺害された菅藤藍さん(21)に鈴木さんの部屋を確認するよう頼んだ。菅藤さんは携帯電話でマネジャーと話しながら、鈴木さんの部屋のドアをノックしたが、反応がないと話したという。
鈴木さんは十八日午前一時すぎ、店の勤務を終えた菅藤さんと重傷で発見された二十五歳の女性を車で、アパートまで送迎していた。鈴木さんは自室にいて、何らかのトラブルに巻き込まれたとみられている。
アパートの近所に住む女性は「十八日午後一時四十分ごろ、アパート付近から急発進した黒っぽいワゴン車があり、危うくはねられそうになった。ワゴン車の運転手と助手席には帽子を深くかぶりサングラスをした男二人がいた。運転席と後部座席の間はカーテンで仕切られていて、ほかの窓はスモークが張ってあって後部座席は見えなかった」と話した。近所に住む男性は「アパート近くに黒っぽい乗用車がよく止まっていて、アパートを監視しているようだった」と話した。
口封じ?残忍な犯行
「死体見ただろう」と拉致
「死体を見ただろう」と言って、男たちは女性三人を拉致した。二人は一命を取り留めたが、菅藤藍さん(21)は遺体で発見された。男性殺害を口封じしようとしたのか、犯行の手口は異常で残忍だ。捜査幹部は「四人を殺害しようとした犯行。早く捕まえないと危険だ」と話した。
男らは「騒がなければ何もしない」などと言って、女性三人を黒っぽい乗用車に押し込み、拉致した。殺害された菅藤さんが車のトランクに、二人は後部座席に乗せられた。男らは車内で「美の山に行く」と話したという。
十九歳の女性は秩父市黒谷の「美の山公園」展望台のトイレ内で、男一人に殴られ、タオルで首を絞められて意識を失った。その後、菅藤さんが刃物で刺されたとみられている。菅藤さんの遺体は道路脇の斜面に投げ捨てられたとみられ、あおむけで倒れていた。
犯行グループは二十五歳の女性を乗せたまま再び熊谷市内まで走行。女性の胸を刃物で刺したとみられる。通行人の発見が早く、一時意識不明だったが十九日朝には意識を回復した。
県警は十八日夕方から菅藤さんの行方を捜していた。車両約八十台、二百七十人体制。半日以上かけて緊急配備を敷いたが、菅藤さんの遺体発見とともに解除された。捜査幹部は「生きていると信じて捜査したが残念」と無念そうに話した。
“花の名所”に衝撃
遺体発見の秩父・美の山公園
菅藤藍さん(21)の遺体が発見された秩父市黒谷の美の山公園観光道路は、蓑山(標高五八六・九メートル)山頂付近にある、美の山公園から国道140号線に下る道路。前日、菅藤さんと同居している十九歳女性が重傷で見つかった同公園展望台付近から約五キロ離れている。
十九日午前六時五分ごろ、犬の散歩中に菅藤さんの遺体を発見した地元の男性(68)によると、車が五台ほど駐車できる道路脇の空き地近くの草むらのなかで、白い二本の足と女性の横顔が見えたという。
「朝の四時三十分のテレビニュースで(連れ去られた)一人が行方不明だと報道されていたので、倒れている女性を見つけた時は、ひょっとしたらその人かもと思った。こんな身近なところで事件が起こるとは…」と驚きを隠せない。
美の山公園はアジサイや桜などの花の名所。今の時期はキノコ採りのシーズンだが、週末以外は観光道路の通行量は少ない。付近に人家はまばら。また、若者が乗ったバイク数台が道路などを走り回っていることも多いという。
「巻き込まれただけ」
被害者悼む周辺の人々
鈴木さんらが勤めていた飲食店の関係者男性は「(鈴木さんは)まだこの店に移ったばかりでまじめな人だった。最近彼女と別れたといって、髪の毛を短く刈り込んでいた。何があったか分からないが、身近な人が巻き込まれたのは許せない」と話した。
重傷を負った二十五歳の女性をよく知る熊谷市の女性(19)は「(被害者女性に)お店で一緒に働かないかと誘われたことがある。背が小さくてかわいい人。向こうから話し掛けてくれたのに」と口をつぐんだ。
別の女性は「この店を辞めた友人から『接客以上のサービスを強要され、辞めようとしたらヤクザみたいな人に脅された』と相談を受けていた。店内のトラブルでなければいいけれど」と振り返った。
また、殺された菅藤藍さんは大里郡江南町の出身。中学卒業後、近くの県立高校に進学したが、一年で中退。その後は町内のスーパーや居酒屋でアルバイトをしていた。
近所の女性は「この一年以上、顔を見かけていなかった。道端で会っても気さくにあいさつをするとってもいいお嬢さんだったのに」と残念がっていた。
一方、熊谷市箱田のアパート周辺は一夜明けた十九日、マスコミ関係者や地域住民で騒然となった。
アパートの一階に住む若い女性は「鈴木さんとは面識はないが、半年くらい前、二○二号室で女性と誰かが口論していたことがあった。女性はいやだいやだと泣き叫んでいた。別れ話のようだった。その後も、何回か二階で口論する声が聞こえた」と振り返っていた。
重傷を負った二十五歳の女性の知人だという若い女性は「重傷の女性、殺された菅藤さんとも明るい人だった」。もう一人、重傷を負った別の飲食店に勤める十九歳の女性については、「菅藤さんの部屋に同居していただけ。巻き込まれたのだと思う」と話した。
見回りの男性が偶然発見
重傷の女性
重傷を負った二十五歳の女性が十八日夜に発見された場所は、熊谷市大麻生の建築解体会社の敷地。国道と水田の間の狭くて、長い場所だが、自動販売機や物置がついたてになる形で、国道を走る車からは死角になっている。
女性を発見したのは敷地を借りてバスやレッカー車を止めていた同市下奈良の無職男性(70)。男性は最近、バスやレッカー車が落書きなどのいたずらに遭っていたため、夜、時々見回りをしていた。
この日も午後八時五十分ごろ、現場に一人で立ち寄ったところ、何か物音がしたため、懐中電灯を車から取り出して照らしたところ、女性が胸を抑えて倒れていて、消え入りそうな声で助けを求めていたという。女性のそばにはナイロン製のロープが落ちており、手を縛られていたのを女性が自力でほどいたように見えたという。
男性の親せきで、近くに住む主婦(67)は「この辺りは夜になると真っ暗になり、外には出ない。男性が発見したのは本当に偶然だった」と驚いていた。
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熊谷の拉致殺害・3女性全員の殺害狙う?(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20030820/eve_____sya_____000.shtml
埼玉県熊谷市のアパートで飲食店従業員鈴木秀明さん(28)が殺害され、女性三人が拉致されるなどした事件で、胸を刺されて重傷を負った山崎恵美香さん(25)も犯行グループの男女三人組と面識がなかったことが二十日、熊谷署捜査本部の調べで分かった。同じく重傷を負った田村由香さん(19)は「犯人は知らない人間」と証言しており、面識のない女性を次々と殺そうとした犯人の残酷な手口から薬物を使用していたとの見方が強まっている。山崎さんは放置された際、ロープで縛られていたことも分かった。
これまでの調べでは、犯人のうち三十歳ぐらいの男が「鈴木はおれの女に手を出した」と話していた。同本部は犯人グループがトラブルから鈴木さんを殺害、女性三人は巻き添えにされたとの見方を強めている。
鈴木さんは背中、腰、大腿(たい)部などを数カ所執ように刺されていた。犯行グループは菅藤藍さん(21)も殺害しているが、山崎さんと田村さんも首を絞めたり、刺したりしていずれも殺害したと思っていた可能性が強く、犯行グループが薬物などの影響を受けていた疑いがあるという。
拉致された車内では田村さんと山崎さんが後部座席に座らされ、菅藤さんはトランクに入れられていた。
山崎さんは放置された際、ロープで縛られており、発見時はほどけていたという。
山崎さんが放置された現場は、国道140号の旧道沿い。熊谷市と秩父方面はバイパスで結ばれており、同本部は犯人は周辺の地理に明るいとみている。
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熊谷男女殺傷、風俗店経営者が犯人“激白” (夕刊フジ)
http://news.msn.co.jp/newsarticle.armx?id=566124
埼玉県・熊谷市のアパートで風俗店従業員の男女が殺傷された事件で、事件の動機は殺害された鈴木秀明さん(28)の女性トラブルとの見方が浮上してきた。被害にあった従業員らが勤務していた風俗店を経営する男性社長(34)を直撃した。
−−鈴木さんをめぐるトラブルはあったか
「金銭問題など具体的なトラブルは一切把握していない」
−−一部で鈴木さんと山崎さんは交際していたと伝えられるが
「深い仲だったとは聞いていない。店は従業員の男女交際は禁止で、破った場合は罰金50万円。こうした業界では最も基本的なルールだ」
−−山崎さんには夫がいたようだが
「そう。ただ夫婦仲はうまくいっていないと聞いており、離婚したと思っていた。でも、店のスタッフの話では、病院に駆け付けた旦那さんは(山崎さん)に付き添い、号泣していたらしい」
−−鈴木さんはいつから勤務していたか
「7月上旬。以前は東大宮の系列店で働いていたが、店の女の子と交際しているという疑惑が浮上し、系列店側の意向で異動となった」
−−店と暴力団とのトラブルは
「一切ない。断言できる」
−−なぜ、鈴木さんは殺害されたと思うか
「(鈴木さんには)彼女がいて、最近、別れたのをきっかけに頭を丸めた。あくまで推測だが、拉致した3人組には女が含まれており、その女と“彼女”は同一人物ではないか。交際をめぐる何らかの恨みが犯行につながったのではないか」
−−被害者の女性3人は鈴木さんのトラブルに巻き込まれたのか
「そう。単に巻き込まれただけだろう」
熊谷男女殺人の勤務先は「セクキャバ」
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殺害された男性、以前の店でも女性従業員と交際(ZAKZAK)
http://www.zakzak.co.jp/
埼玉県熊谷市のアパートで、風俗店従業員の鈴木秀明さん(28)が刺殺され、同じ店の女性従業員らが殺傷された事件で、鈴木さんら3人が務めていた同県本庄市の料亭パブ「T」が注目されている。個室の座敷で女性ホステスと飲みながら、胸などをタッチできるお触りパブで、都心では“セクキャバ”とも呼ばれる営業スタイル。地元では「本庄では初めての店」と、なにかと話題になっていたという。
「1セット45分で、指名がないと、15分ごとに女の子が代わった。うち5分間は、大音量の音楽が流れるお触りタイムで、浴衣姿の女性が男にまたがって座ってくれた。女の子はブラジャーをつけず、1000円で胸が触れ、プラス1000円で下半身も触れた」
「T」を何度か利用したこともある30代前半の会社員は、こう話す。
「T」は今年4月、JR本庄駅北口から徒歩1分の鉄骨鉄筋コンクリート8階建てのビルの地下1階にオープンした。
事件が明るみに出た19日、同ビル前には報道陣ややじ馬が殺到。従業員3人が殺傷された事件の衝撃と、店関係者が県警の事情聴取を受けたことなどから、この日はさすがに店を閉めていた。
「店内には2、3畳の広さの個室がいくつかある。1セットの入店料は午後7時の開店以降、1時間ごとに4000円から6000円まで上がり、女性の指名料1000円と飲み物やおつまみの代金は別だった」(前出の会社員)
約30人の女性が在籍し、本庄初の“セクキャバ”だったこともあり、近隣の会社に勤めるサラリーマンや本庄駅を利用する通勤客などで、にぎわっていたという。
こうしたなか、県警熊谷、秩父両署の捜査本部の調べなどで、犯行グループの男女3人組のうち1人の男と、殺害された鈴木さんの女性問題をめぐるトラブルが浮上してきた。
その鈴木さんは千葉県出身。7月から「T」で勤務し、店にいた男性スタッフ4人のうちで一番下だった。
上司のマネジャーは「前の店で女性従業員と交際していると噂になり、こちらの店に勤め始めたが、明るくて、ひょうきんな男だった。勤務態度も真面目で仕事の覚えも早く、上の立場になれると思っていたのに…」と話す。私生活では離婚経験があり、子供が1人いたという。
また、殺害された菅藤藍さん(21)の評判は「明るい性格で店の女の子の間でも人気があった」(マネジャー)。一時重体となった山崎恵美香さん(25)も「とても気の利く子でお客さんに人気があった」(同)。
鈴木さんの周辺で、何があったのか。店関係者の衝撃も大きい。 ZAKZAK 2003/08/20
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熊谷・秩父連続殺人事件 謎だらけ凶行走る (朝日新聞)
http://mytown.asahi.com/saitama/news02.asp?kiji=4385
秩父市の山中で瀕死(ひんし)の若い女性が保護され、近くからは女性の遺体が見つかった。さらに約30キロ離れた熊谷市内のアパートには男性の遺体も……。18日午後、熊谷・秩父両市を舞台に起きた連続殺人事件。男女3人とみられる犯人グループの動機はなにか。事件の状況は徐々に明らかになってきたが、謎は深まるばかりだ。
◎けが人証言、解明急ぐ
犯行グループに拉致された女性3人のうち、田村由香さん(19)は友人の菅藤藍さん(21)のアパートに数カ月前から泊まり込んでいて事件に巻き込まれた。生き残った田村さんの証言などをもとに県警は謎の多い事件の解明を進めている。
JR熊谷駅から約1キロの住宅街。事件の舞台となったアパート「グリーンハイツ箱田」には、6畳ほどのワンルームタイプの部屋が14室ある。
18日午後1時ごろ。田村さんと菅藤さんが暮らす1階106号に、菅藤さんが勤める本庄市内の飲食店から電話があった。2階の202号室に住む鈴木秀明さん(28)が仕事に遅れないよう様子を見てきてほしいという内容だった。菅藤さんは外階段を上り、鈴木さん方へ向かったが、なかなか戻ってこなかった。
しばらくして、部屋のドアが開いた。見覚えのない男が、部屋に入ろうとした。20代。青っぽい服。中を見回すと無言のまま出ていった。
数分後、再びドアが開いた。紺色っぽい服装に身を包んだ30代の別の男だった。男は部屋に押し入り、田村さんを202号室に連れ込んだ。
同室に6人の男女が集まった。菅藤さんと菅藤さんの同僚の山崎恵美香さん(25)。田村さんを連れ出した紺色の服の男のほかに、さきほどの青服の男と白い服を着たセミロングの女がいた。
フローリングの床上には、何かの上に布団がかぶせられていた。
「死体を見ただろう」
男の1人が言った。布団の下には背中や腰など数カ所を刺された鈴木さんの遺体があったが、この時、田村さんに中は見えなかったという。
犯行グループは田村さん、菅藤さん、山崎さんを外に連れ出すと、セダンの黒系の乗用車に乗せて発進した。田村さんと山崎さんは後部座席にいた。菅藤さんの姿は座席になく、捜査本部はトランクに押し込めた可能性が高いと見ている。
店から菅藤さんのもとに電話が入ってから3人が拉致されるまで、30分もたっていなかった。
車は熊谷から南西の秩父方面へ向かった。
秩父市と皆野町にまたがる美の山公園。山の頂を開いてつくったこの公園で、田村さんは連れ出された3人の中で初めて車から降ろされた。
紺服の男にトイレに連れ込まれ、タオルで首を絞められた。殴るけるの暴行を受け、田村さんは意識を失った。
◎文字盤で経緯説明
菅藤さんの遺体は、美の山公園から山道を約2キロ下った道路わきのがけに遺棄されていた。連れ去られた時と同じ黒い半袖Tシャツに迷彩模様のスカート姿だった。
田村さんは、一緒に連れられてきた菅藤さんが車外に出された場面を見ていない。このため捜査本部は犯行グループは山頂付近で田村さんを放置し、山を下る途中で菅藤さんを遺棄した可能性が高いと見ている。菅藤さんは、首を絞められ、窒息死していた。
田村さんと菅藤さんを残し、乗用車は再び熊谷へとハンドルを切る。
公園で倒れた田村さんは、午後4時半ごろ、通行人に発見された。収容先の皆野町内の病院を訪ねてきた秩父署員に、田村さんは「熊谷のグリーンハイツに死体がある。調べて」と頼んだ。
午後6時25分、捜査員がアパートの202号室に入り、鈴木さんの遺体を発見した。
午後8時50分、熊谷市大麻生の国道わきの空き地。バスとレッカー車の間からうめき声がするのを通りがかりの男性が聞いた。女性が倒れていた。山崎さんだった。
「助けて下さい」。山崎さんは両手で胸を押さえ、苦しそうに声を絞り出した。両手に縛られた様な跡があり、ビニールのひもが落ちていた。
「どうしたんだ」と聞くと「刺されました」と答えたという。
山崎さんは胸などを刺されており、助け出されると間もなく、意識不明の状態に陥った。出血が多く、輸血などの処置を行った。意識は回復したものの、会話は自由にできない。捜査員は病室に文字盤を持ち込んだ。
「菅藤さんが秩父の山に落とされた」
山崎さんは文字を一つひとつ指さし、連れ去られた経緯を説明した。
3人が拉致されてから16時間が経過した19日午前6時すぎ、犬を散歩させていた男性が菅藤さんの遺体を見つけた。
■熊谷・秩父連続殺人拉致事件■
(熊谷署捜査本部の発表による)
18日午後1時ごろ アパートの自室にいた菅藤さんに勤め先の飲食店から「鈴木さんの様子を見て欲しい」と電話。菅藤さんはアパート2階の鈴木さんの部屋へ。
同1時半前 菅藤さんは戻らず、男が菅藤さんの部屋に残っていた田村さんを連れ出し、鈴木さんの方に。同室には菅藤さんと山崎さん、犯人グループの男女がおり、人が布団をかけられて倒れていた。
同1時半ごろ 女性3人がアパートから黒い乗用車で拉致される。
同4時45分 秩父市黒谷の美の山公園で倒れていた田村さんを通行人が発見、110番。
同6時25分ごろ 田村さんの話から、熊谷署員が箱田のアパートに急行、布団をかけられた鈴木さんの遺体を確認。
同8時50分ごろ 熊谷市大麻生の会社敷地内で胸などを刺されて重体の山崎さんが見つかる。
19日午前6時05分 秩父市黒谷の道路脇で犬の散歩中の男性が菅藤さんの遺体を発見。
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熊谷・3女性殺傷 「異常過ぎる」−−被害者、恨み浮かばず (毎日新聞)
http://www.mainichi.co.jp/area/saitama/news/20030820k0000c011001000c.html
「死体を見ただろう」。熊谷市箱田7のアパートで18日、202号室に住む飲食店従業員、鈴木秀明さん(28)が刺殺された事件。同じアパートに住む同僚の女性ら3人は遺体を見せられたうえ拉致され、殺傷される残虐な事件に発展した。被害者はいずれも「明るく人気がある」などと評価され「恨まれるようなことはない」と異口同音に話す。証拠隠滅や口封じなどで説明し切れない凶行に、熊谷・秩父合同捜査本部の幹部は「初めての経験。異常過ぎる」と表情を固くした。【高橋真志、高本耕太】
事件の始まりは、18日午後1時25分ごろ、鈴木さんが電話にでないことを不審に思った上司が、106号室に住む同僚の菅藤(かんとう)藍さん(21)に様子を見に行くよう依頼した電話だった。菅藤さんは、同僚で205号に住む山崎恵美香さん(25)につなぎっぱなしの携帯電話を預け、202号室のドアをノックした。2人は、既に鈴木さんを殺害して室内にいた男女3人組に室内に引き込まれたとみられる。菅藤さんの部屋に同居していたフリーター、田村由香さん(19)も、30代の男に202号室に連れていかれ、遺体を見せられたという。
鈴木さん、菅藤さん、山崎さんは、本庄市のJR本庄駅近くに4月オープンした、女性20〜30人が働く飲食店の同僚だった。鈴木さんは6月から同店に勤務、チーフとしてホールの管理を任されていた。以前も同店の関連のさいたま市内の飲食店で働いていたという。上司は「まじめで一生懸命仕事をしていた。17日は疲れた様子だった。店関係のトラブルはあり得ない」と話している。
山崎さんは、開店と同時に勤め始めた。明るく気が利くタイプ。拉致されてから約8時間後、熊谷市大麻生の国道140号のそばで両腕をビニールひもで縛られ、胸を刺され放置されていた。近くを通りかかった男性(71)に「助けて。胸を刺された」と小さな声で必死に訴えたという。
菅藤さんは5月から働き始めた。上司は「明るい子。女の子にも人気があった。若いがしっかりしていた」と話す。ただ一人、事件の起きた18日には見つからなかった。捜査本部は県内全域に緊急配備をしいた。しかし、19日朝、秩父市内の山林で、首を絞められ、既に死亡していた。
一番最初に保護された田村さんだけは、3人とは別の飲食店に勤務していた。ロックバンドのファンという共通点から菅藤さんと親しくなり、2、3カ月前から106号室で同居するようになったという。秩父市の美の山公園で車から降ろされ、トイレでタオルで首を占められ、殴られ気絶した。18日夕に発見された時は、恐怖で前後の記憶をなくしていたという。
死傷した4人のうち、今のところ証言が可能なのは田村さんだけで、捜査本部では田村さんから慎重に話を聞いている。
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不気味な惨劇 住民ら不安 男性殺害3女性拉致 若い男女、
日ごろ出入り現場のアパート ものものしい雰囲気(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/
飲食店が従業員用に借り上げた熊谷市内のアパートを舞台にした不気味な惨劇――。殺害された男性の遺体が十八日に発見されてから、女性従業員ら三人の拉致が発覚。そして十九日朝には女性の遺体発見と、急展開する事件に県警の合同捜査本部は振り回された。男二人女一人とみられる犯人グループは逃走したままで、不可解な事件の背景が見えてこないことに、市民は不安を募らせている。
飲食店従業員の鈴木秀明さん(28)が殺害され、菅藤藍さん(21)ら三人が拉致された熊谷市箱田七のアパート「グリーンハイツ箱田」は、十八日夜から警察の「立入禁止」の黄色いテープが張られ、ものものしい雰囲気に。十九日午前には県警鑑識課員がアパートに到着し、鈴木さんが殺された二〇二号室で指紋の採取などの鑑識活動を行った。二階には目隠しのための青いシートがかけられた。
現場周辺には報道陣やニュースで事件を知った近所の住民らが集まり、騒然とした。近所に住む主婦(67)は「アパートの近くには夕方になると乗用車が止まり、若い男女が頻繁に出入りしていた。こんなに近くで悲惨な事件が起こるとは信じられない」と青ざめた表情で話していた。
拉致された菅藤さんが遺体で見つかり、菅藤さんと同居していた群馬県伊勢崎市の田村由香さん(19)が重傷を負って保護された県立美の山公園の一帯は、秩父市と皆野町にまたがる景勝地。蓑山(587メートル)の山頂付近には展望台などがあり、花の名所で知られる。
犯人グループが使ったとみられる観光道路は、国道140号線を発着点に蓑山の東側を半周している。宿泊施設や別荘などが点在しているが、花の季節以外は日中でも人影はまばらで、暴走族などが走り回ることもある。
菅藤さんの遺体は、斜面にあるゴルフ練習場の端から数十メートル上ったがけ下で、道路から約三メートル下の草むらに落とされていた。
一方、田村さんが車から降ろされた現場は、山頂に近い駐車場にある公衆トイレ。田村さんは一時、気を失ったが、頂上に向かって血だらけで約百メートル歩いて行ってうずくまっているのを発見された。飲食店とは直接関係がなかった田村さんは、捜査本部の事情聴取に「巻き添えを食って、私には状況が分からない」と話し、ショックを受けた様子だという。
◇「まじめ」「良いお嬢さん」 被害者の知人ら驚き隠せず
「誰からも評判が良かった」「気さくにあいさつする良いお嬢さんだった」。亡くなった鈴木さんと菅藤さんの上司や知人らは、凶悪な犯行に驚きを隠せない様子だった。
鈴木さんと菅藤さんが勤めていた本庄市内の飲食店は今年四月にオープン。鈴木さんは六月にさいたま市の系列店から移籍し、ホール係のチーフを務めていた。菅藤さんは五月に入店、二人とも働きぶりはまじめで、関係者は鈴木さんについて「あそびも仕事もまじめにやる。出世する男に見えた」、菅藤さんについて「性格が明るくて、客だけじゃなく、同性の店員にも慕われていた」と話した。
飲食店を経営する会社の社長(34)は、「店員の住所は秘密にしていた。なぜ殺害されたか全くわからない」と沈痛な様子。江南町の菅藤さんの実家近くに住む主婦は、「会えば、『行ってきます』などと気さくにあいさつする良いお嬢さんだった。最近は見かけなかったが、亡くなったことを聞いて驚いた」と言葉少なに語った。
鈴木さんが勤めていた飲食店はJR本庄駅前にある。空き店舗が目立つ繁華街の中心に位置する。近くの駐車場管理人の男性は「ただでさえ過疎が進み、人が少なくなっている街で凶悪な事件が続くのはやりきれない」と話していた。