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インターネット掲示板「2ちゃんねる」の管理人を相手取った名誉棄損訴訟で、6月に原告の女性プロ麻雀(マージャン)士、清水香織さん(30)が勝訴した直後、同掲示板に「殺す」などと脅迫的文言を数千件書き込まれる新たな被害を受けていたことが分かった。清水さんが所属する麻雀店のホームページ(HP)上の掲示板にも同様の書き込みが10万件以上あり、HPは閉鎖に追い込まれた。清水さんの弁護士は「これでは勝訴しても意味がない。何らかの対策が必要」と話している。
清水さんは同掲示板に「整形しすぎ」などと書き込まれたとして提訴した。東京地裁は6月25日、「(整形は)真実とは言えない」として、管理人の西村博之氏に書き込みの削除と100万円の損害賠償を命じた。双方が控訴せず、判決は確定した。
清水さんの代理人、中島成(なる)弁護士によると、2ちゃんねるの掲示板には、判決の数時間後から清水さんを攻撃する書き込みが相次いだ。「殴り殺す」「とっとと首を吊(つ)れ」「夜道は相当危険」などの脅迫的文言や、「整形きもーい(気持ち悪い)」などと訴訟で虚偽と認定されたことまで記載された。
清水さんが所属する麻雀店のHPも、書き込みに加え、店のメールアドレスに嫌がらせの文言を並べた大量の電子メールが届いた。店は管理不能に陥ったとしてHPを閉鎖した。
ネット上で自宅の住所を明らかにされたため、清水さんは実家に戻り、外出を避けた。被害はネット上にとどまらず、嫌がらせや脅迫まがいの電話が店に相次ぎ、清水さんは所属プロなのに店に顔を出せなくなったという。
2ちゃんねるの書き込みを巡っては、他にも名誉棄損訴訟が起こされ、昨年12月の東京高裁判決や、今年7月の東京地裁判決も西村氏の削除義務を指摘し、損害賠償を命じている。今年5月には、静岡県の住宅建設販売会社が「暴利をむさぼる悪徳会社」などと書き込まれたとして、1000万円の賠償などを求め、東京地裁に提訴している。
一方で、勝訴後の「二次被害」を恐れる被害者も多く、現在相談を受けている東京都内の弁護士は「被害者が心配して提訴に踏み切れないままだ」と話している。
【小林直】
▽中島成弁護士の話 勝訴後の脅迫的文言については、新たな法的措置を検討している。ネット上の書き込みは匿名なので、通常の名誉棄損よりも被害が深刻化する。書き込み者の情報を蓄積・管理する第三者機関を創設し、この機関を通さなければ掲示板に書き込めないようにするなど対策が必要だ。
西村博之氏の話 (勝訴後の二次被害は)削除要求だけでなく、掲示板管理人から金を取ろうとした裁判なので、清水さんを知らない一般ユーザーからも反感を買ったためだと思う。(相次ぐ厳しい司法判断は)出版社と読者という関係を想定して法律が出来ていて、掲示板のようなメディアを想定していないためではないか。
ルール自ら形成を 田島泰彦・上智大教授(メディア法)の話 ネットでの二次被害を現行法で防ぐのは限界があるが、だからといってネットを規制するような新法にも反対だ。ネットは市民個人が発信し、影響力を行使出来るのが利点であって、これを規制するのは表現の自由からも問題だ。だからこそ、利用者はルールを自ら形成しなくてはならないのに、現状はネットの匿名性に隠れ、やりたい放題となっている。利用者がその実態を直視しなければ、規制しか対抗手段はないと言える。(毎日新聞)
[8月13日3時11分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030813-00000102-mai-soci