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http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20030808k0000m040143002c.html
深夜まで外で遊んだり、喫煙をしたりして補導される「不良行為少年(20歳未満)」が今年上半期は57万4612人に上り、上半期の統計を取り始めた98年以降、最高を記録したことが警察庁のまとめで7日分かった。一方、刑法犯で検挙された少年(14歳以上20歳未満)は約6万人で、過去10年間、一進一退を繰り返しているが、殺人、強盗などの凶悪犯は97年から高止まりの状態にある。
飲酒、喫煙、深夜はいかい、暴走行為などの不良行為で補導された少年は、5年前の98年上半期は40万28人で、その1.5倍に増加したことになる。喫煙などに比べて、深夜はいかいの増加が著しく、約23万人が補導され、5年前から倍増している。
刑法犯で検挙された少年は6万3180人(昨年同期比3.6%減)。成人も含めた刑法犯全体の検挙人数の37.2%を少年が占めた。殺人、強盗など(未遂も含む)の凶悪犯の検挙人数は1105人で、昨年同期より100人増。ひったくりなどの街頭犯罪は、成人も含めた検挙人数のうち少年が65%を占めた。
14歳未満の触法少年で刑法に触れる行為をして補導されたのは5.1%減の9154人。しかし、凶悪事件での補導数は87%増の131人で、放火・放火未遂が112人と大半を占める。【和泉かよ子】
◇病巣不透明 戸惑う大人
増加を続ける少年の深夜はいかい。犯罪の被害者、加害者へとつながっていく危険性が高いが、防犯の現場は最近の少年のとらえにくさに苦悩している。
約20年間、東京の渋谷や原宿でボランティアで街頭パトロールを続けてきた少年指導委員、窪田誠さん(66)=東京都渋谷区恵比寿=は最近、パトロール現場でしばしば驚かされる。
ファストフード店の前で女子高生が座り込んでたばこを吸っていた。都内の名門女子高の制服を着ており、同行の女性警官は顔なじみらしく注意した。「本当はあの学校の生徒ではないんだろう」と聞くと、女性警官は「いえ、あの学校です」と答えた。飲酒を注意された進学校の男子高校生が、警察官に「おれの父親は検察庁に勤務しているんだ。警察より検察の方が上だ」と食ってかかったこともあった。
窪田さんは「昔は私服に着替えて夜遊びしていたが、今は妙に堂々としている。家庭環境や成績の良しあしも非行に走るかどうかの基準にはならない」と、子供たちの危うさを指摘する。
一方、警視庁の石橋昭良・少年相談担当管理官は「凶悪犯罪をした中に『友達から誘われて断り方が分からなかった』という子がかなりいる。自分の意思表示をするのが苦手な子が増えている」と話す。警察の少年相談室には新学期に「どうやって友達を作ったらいいんですか」と、子供から電話がかかってくる。
少年警察一筋の石橋管理官は、非行の質的変化を痛感するという。同じ暴走族にいても本名を知らない。援助交際する少女に悩みを聞いても「特にない」。「人間関係もぼんやりしているし、凶悪犯罪をしたり売春するパワーの理由が見つからない。病巣がはっきりせず、立ち直るのに昔の3倍ぐらい時間がかかる」と言う。
石橋管理官は「多すぎる誘惑と情報に踊らされているのが現代の非行ではないか。今の子供は幼児期から習い事や勉強はしているが、地域の子供が集まってワーワー遊んでいる姿を見かけない。小さいころから人間関係でもまれることが大切と思う」という。【和泉かよ子】
[毎日新聞8月8日] ( 2003-08-08-07:05 )