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http://www.asahi.com/international/update/0806/004.html
ニューヨーク市当局は、同市内で起きた強姦(ごうかん)事件で犯人のDNA情報が得られているものについて、今後は容疑者が未逮捕でもDNAに“人格”を与えて身代わりにする形で、氏名不詳のまま起訴する方針を打ち出した。ニューヨーク州法で10年と定められた時効の成立を起訴によって防ぎ、逮捕率の向上と犯罪抑止効果の一石二鳥を狙っている。
米国内ではこれまでにも、個別の凶悪な強姦事件については、未逮捕の氏名不詳者がDNA情報に基づいて起訴されたことはある。しかし、今回のようにDNAによる起訴をルール化するのは全米でも初めてだ。市当局によれば、94年以降に起きた強姦事件のうち約600件が対象になる。そのうち時効が間近に迫った約100件がまず起訴される見通しだ。
この計画は、米国で氏名不詳者の代名詞に使われる「ジョン・ドウ氏」という表現にちなんで「ジョン・ドウ起訴プロジェクト」と呼ばれている。同市司法当局によれば、DNAが似ているため、別人が誤って逮捕される可能性は2千数百億分の1だという。
4日に記者会見したブルームバーグ市長によると、州政府に時効期間を延長するよう州法の改正を要請したが受け入れられなかったため、この方針を打ち出すことにしたという。「DNAテストの登場で、もはや時効は時代遅れになった。強姦犯は20年、30年たっても枕を高くして眠れなくなる」と話している。
ただし、刑法の専門家からは「被告の防御権を損なう」との懸念が出されている。事件から何十年もたって突然逮捕された場合、証拠や証人はすでに失われており、たとえ無実でも反証が困難になるという指摘だ。時効に関する、何世紀にもわたる刑法の伝統的な考え方を否定するものだとの批判もある。
冤罪事件の服役囚らの釈放を支援する市民団体なども、同市の方針を疑問視している。ただ、DNAテストは冤罪死刑囚が無実を勝ち取る切り札にもなっていることから、その活用を正面から否定することもできず、歯切れの良い反対姿勢は打ち出せないでいる。 (08/06 10:48)