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「ボクも同じことをされ、中学生になってやっていいと思った」。長崎市の幼稚園児、種元駿(しゅん)ちゃん(4)全裸殺人事件で、補導された市立中1年の男子(12)が長崎署捜査本部に行った供述が5日、判明した。6日発売の週刊新潮が報じているもので、男子も幼少期に下腹部を切られる性被害に遭っており、溺愛(できあい)する母親(39)を「あの女」と言い、強い不信感を持っていた。だが、殺害動機には「わからない、わからん…」と言い、深い「心の闇」に包まれている。
【前もやったことがある】
男子は屋上で駿ちゃんに衣服を脱ぐように頼んだ。すでに、ハサミとカッターナイフで駿ちゃんの下半身を傷つけようと思っていた。
「あの子の着ているシャツやズボンを脱がして、怖かったけど、よく見せて、と言った。そういうことを前もやったことがあるし、その時は騒がれなかったから」
「いいことだと思った。裸にして狙いを定めて…。それでも大きな声を出したから…」
【どこかに引っ掛かる】
意外にも、駿ちゃんの抵抗に遭う。
「(切るとき)ヒューという音がした。男は女になれると。あっこ(下腹部)なくなったら、女になれると言われて、ぼくも同じことされそうになったもん。痛くないと言われたもん」
「ボクは痛くないと知っとったもん。騒がれるのはもういやだから放り投げた。どこかで引っ掛かるかと思った」
【ボクも怖い思い】
男子は過去に、同様の性犯罪にあったことを告白している。
「ボクは、ずっと前におなじことされたもん。裸にされて怖い思いしたから。それでも、じっと黙っとったもん」
「怖かったけど、変な気持ちになった。だから、ボクも中学生になって、同じことをしてもいいと思ったからね」
【あの女】
男子は母親から「溺愛−過保護・過干渉」で育てられ、今春からパート勤めに出てカギッ子となり、情緒不安定に陥った。
だが、話が料理人の父親(50)らに及ぶと、意外なことを口にした。
「お父さんには会いとうない。やっぱりかわいそうだから…。お母さんは知らん。『何も知らん』と言うもん」
「お母さんはお父さんに『あなたが教えたんと違う?』と怒るから。お父さんからは何も教わってない。それなのに、あの女は、お父さんを怒るから…。だから、ボクは、女になるのはいやだったんだ」
男子に対する長崎家裁の精神鑑定は、9月19日まで続けられる。付添人の弁護人によると、事件の核心については口が重く、言葉が出てこないという。少年の心は、複雑な倒錯の中で、闇に包まれていったことだけは間違いないようだ。
ZAKZAK 2003/08/05