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東京大学の似田貝香門(にたがいかもん)副学長(60)は5日までに、自らが受けた科学研究費補助金(科研費)に不正な処理があったとして、遠山文部科学相に副学長職の辞表を提出した。
東大はこれを受けて、似田貝副学長が所属する文学部に調査委員会を設け、この問題を調査することを決めた。同大の佐々木毅学長は5日午前記者会見し、「大変遺憾なことで、早急に事実関係を確認したい」と述べた。
似田貝副学長は、阪神大震災後のボランティア団体の活動をテーマにした研究の代表者として、1998年度から3年間にわたり、文部科学省の外郭団体・日本学術振興会から、科研費計1770万円を受け取った。このうち、出張などの旅費として約1000万円を使っていた。関係者によると科研費はすべて使い切られており、カラ出張など支出に不正な点があったという。
佐々木学長に似田貝副学長が辞意を申し出たのは今月1日で、「科研費に関し不適切な処理があった。本学に迷惑をかけないようにしたい」と話していたという。同学長は、「どんな支出だったのか今の段階ではわからないが、(医学部の)堤教授の不祥事があったので、大学として重大視すべき事柄と判断し、辞表を受理した」と話している。
似田貝副学長は文学部の教授で、社会学が専門。同大大学院の新領域創成科学研究科長を経て、今年4月、副学長に就任したばかりだった。辞表提出後は会議にも出席せず、東大では「所在は確認していない」としている。
東大では、医学部の堤治教授が科研費を不正流用していたとして、6月に停職1か月の処分を受けている。その際、似田貝副学長は広報担当として記者会見に臨み、「先例によると減給処分のケースだが、1段階重く、停職とした。東京大学の姿勢として受け取ってほしい」などと発言していた。
東大で科研費をめぐる不祥事が相次いでいることについて、佐々木学長は、「危機感は持っているが、対応に苦慮している」と苦渋の表情を浮かべ、「補助金について他学部教授を含めた全体的な調査を行うことも選択肢の一つ」との考えを示した。補助金の不正流用に関しては、大学当局に様々な情報が寄せられており、その中には似田貝教授の名もあったという。
(2003/8/5/14:37 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20030805it04.htm