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http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20030731k0000m040158001c.html
息子や孫を装って「おれだよ、おれ」と高齢者宅に電話をかけ、交通事故を起こしたふりをして現金を振り込ませる「おれおれ詐欺」事件で、警視庁捜査2課は詐欺グループの全容をほぼ解明した。最大グループには警視庁が摘発した指定暴力団山口組五菱会系のヤミ金融の元メンバーが2人含まれていた。ヤミ金のノウハウを応用し、会社組織をまね、約35の架空口座を操り、組織的に詐欺を繰り返していた。【千代崎聖史、立山清也】
調べでは、多田祐一郎被告(21)をリーダー格とする10人前後のグループは、多田被告を「社長」、ナンバー2の根本隆之被告(21)を「専務」と呼んでいた。また、電話をかける担当のほか現金の引き出し担当、引き出す際の見張り担当など役割を細かく分担していた。金を振り込ませる口座はほぼすべての都市銀行に開設し、確認できただけで約35口座に上った。
多田被告らは元々、五菱会系ヤミ金融業者「ユウユウクレジット」の社員だった。警視庁の取り締まりが厳しくなると、カラオケボックスを拠点にプリペイド携帯電話で取り立てを行う「090金融」を始めた。小遣い稼ぎのため、多重債務者を対象に「利息が未納です」などとうそを言って、金をだまし取る振り込み詐欺にも手を染め始めたという。
捜査幹部は“転向”の理由を「ヤミ金では1回の稼ぎが2万〜3万円にしかならない。別のおれおれ詐欺の容疑者逮捕が報道されたのを知り、これはいけると踏んだようだ」とみている。
多田被告らはヤミ金時代の経験を生かし、架空口座とプリペイド携帯をインターネットで入手、カラオケボックスに同じ高校の卒業生を集めて「おれおれ詐欺」を始めた。当初は多重債務者リストなどを元に親族に電話をかけていたとみられるが、後に電話帳を利用し、メンバーに「あ」行や「か」行など電話先を指示していたという。届け出のあった被害だけで、約70件5400万円に上る。
報道で知った多田被告の手口をまねたグループも現れた。結城洲央被告(20)のグループは自宅マンションで、電話ボックスから盗んできた電話帳を使い、5月下旬の3日間だけで約2000万円を荒稼ぎした。
「おれおれ詐欺」の被害は30日現在、この2グループを含め約300件、計約2億2000万円に上り、警視庁は他に少なくとも2グループが存在しているとみて解明を進める。
[毎日新聞7月31日] ( 2003-07-31-03:00 )