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◇29日の拘置期限切れが区切り
前橋市三俣町のスナックで今年1月、市民3人を含む4人が死亡した発砲事件は25日、発生から半年を迎えた。前橋東署捜査本部は今月、発生当初から事件との関係を指摘されていた指定暴力団住吉会幸平一家矢野睦会会長、矢野治(54)と同会幹部、辰力正雄(54)の両容疑者を指定暴力団稲川会系元総長を狙った別の襲撃事件に関与したとして、放火未遂容疑で逮捕・送検したが、いまだ2人から有力な供述は得られていない。29日の拘置期限を目前に捜査員と両容疑者の攻防は続く。
●取調室の攻防
「事件の話になると口を開かない」。ある捜査幹部は頭を抱える。今月8日に逮捕された矢野容疑者の取り調べは既に2週間を超えているが、供述は得られず、壁にぶち当たっている。
逮捕容疑は昨年3月、前橋市朝倉町の稲川会系大前田一家元総長宅にガソリン噴射器を使用して、火をつけようとした放火未遂。捜査本部は、スナック発砲事件を含む抗争の全容解明への突破口と位置づけ、放火を指示したとみられる矢野容疑者と辰力容疑者の逮捕に踏み切った。
しかし、両容疑者は事件について堅く口を閉ざす。捜査本部には、前橋発砲事件発生直後、「自分がやった」と出頭してきた矢野睦会幹部を一度逮捕しながら、処分保留で釈放した苦い経験があり、捜査員からは「釈放だけは絶対に許されない」とあせりも聞こえる。
●本家の報復恐れ
一連の抗争は、01年8月に住吉会系の会葬に出席していた同会幹部に向けて大前田一家の組員2人が発砲し、同会幹部2人が死亡した「四ツ木斎場事件」が発端とみられる。矢野容疑者の関係者が、発砲した2人を取り押さえたにもかかわらず、すぐに警察に身柄を突き出したため、矢野容疑者周辺は住吉会内で「失態」のらく印を押され、「大前田一家への報復を行い、失態のばん回を狙っているのでは」との憶測も流れている。
矢野容疑者は捜査本部の取り調べの中で、「前橋発砲事件当時、住吉会本家から説明を求められた際、『矢野睦会は発砲事件と無関係』と答えた」と供述。「警察に自白すれば、本家からの報復は計り知れない」との恐怖が、矢野容疑者の口を堅く閉ざしている可能性もある。警察の威信をかけた取り調べと裏組織の重圧を背負う男の攻防は、29日の拘置期限満期で一つの区切りを迎える。
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<一連の抗争の流れ>
01年 8月 東京都葛飾区の住吉会系の会葬で、稲川会系大前田一家組員に住吉会幹部2人が射殺された「四ツ木斎場事件」が発生。
02年 2月 前橋市朝倉町の大前田一家総長宅近くの民家に銃弾が撃ち込まれる発砲事件が発生。
02年 3月 同総長宅に数人組の男が火炎瓶を投げ込み、ガソリン噴射器でガソリンのような液体を噴射。総長の関係者に発見され、男たちは放火できずに逃走。
02年10月 白沢村高平で、近くのゴルフ場から帰る途中の大前田一家幹部、後藤邦雄元組長が数人組の男に発砲されて重傷を負う。
03年 1月 前橋市三俣町のスナックで、2人組の男が店員や客に発砲、一般市民3人を含む4人が死亡したほか、後藤元組長ら2人が重傷を負った。
03年 2月 スナック発砲事件で「自分がやった」と警視庁目白署に出頭した住吉会系幸平一家矢野睦会幹部を銃刀法違反容疑で逮捕。取り調べの末、処分保留で釈放。
03年 3月 白沢村の襲撃事件に使用された車の売却をあっせんしたとして、盗品処分あっせん容疑などで自動車修理工の男=服役中=ら2人を逮捕。
03年 6月 昨春の総長宅襲撃事件で、現場に残されていたガソリン噴射器を製造したとして、埼玉県三郷市の建設会社社長、青柳常男被告(54)=放火予備罪で既に起訴=を逮捕。青柳被告は「矢野睦会の指示で製造した」と供述。
03年 7月 矢野睦会会長、矢野治(54)と同会幹部、辰力正雄(54)の両容疑者を昨年3月の放火未遂容疑で逮捕。矢野容疑者は28日に拘置期限満期を迎える。(毎日新聞)
[7月25日19時26分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030725-00000002-mai-l10