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辻元前議員逮捕・捜査は厳正中立で
警視庁は十八日、秘書給与流用事件で議員辞職していた社民党の辻元清美前衆院議員ら四人を詐欺容疑で逮捕した。辞職から一年四カ月、今回、なぜこの時期に逮捕に踏み切ったのかというのが、多くの国民が抱く素朴な疑問ではないだろうか。
政治不信の元凶であるゆがんだ「政治とカネ」の刑事摘発には賛成だ。が、李下に冠を正さず、国民が納得する厳正中立な捜査であるべきだし、警視庁には国民への説明責任がある。
調べによると、辻元前議員らは一九九六年十一月から九八年十二月まで、勤務実態のない二人をリレーする形で政策秘書として登録、国から合計約千九百万円をだまし取った疑い。支給された給与のうち、名義を借りた二人にそれぞれ月五万円から七万七千円を支払い、残りを事務所スタッフの人件費に充てていたという。
辻元前議員は、逮捕後の調べに対し「後で事実は明らかになるでしょう」と否認しているという。
今回の逮捕は社民党にとって深刻な事態である。辻元前議員が政審会長という党幹部経験者であったという事実にとどまらない。逮捕者のなかに村山富市元首相の政策秘書や土井たか子党首の元政策秘書が含まれているからである。とりわけ土井党首の政治責任は重い。
公設秘書給与をめぐる疑惑は今回が初めてではない。山本譲司元民主党衆院議員は秘書給与の詐取で起訴され実刑になった。田中真紀子前外相も秘書給与をファミリー企業でプールにしていたとの指摘があり告発を受け検察が捜査中である。
辻元前議員の辞職前後の言動すべてが真実とは思わないが、公設秘書給与流用などカネをめぐる永田町の感覚には驚かされる。
国から支給される秘書給与の原資は国民の税金であり、そのピンはねや流用は納税者への重大な裏切り行為と言わざるを得ない。
一方、辻元前議員らが最近の事情聴取で否認の態度を示していた点や一罰百戒に格好な対象という捜査側の事情を理解するとしても、逮捕は唐突感を否めない。今秋の衆院選をにらんだ狙い撃ち、警視庁内の不詳事隠しとか憶測を呼んでいる。
消費者金融大手に「犯罪歴」など捜査情報を漏えいしたとして同じ捜査二課幹部を処分、謝罪会見していたからだ。
政策秘書は本来、国会議員の立法活動や政策立案を補助するため政治改革の一環として導入された。給与は国費で賄われる。ところが、こうも不詳事続きでは制度の抜本見直しも必要だろう。
社民党は元幹部逮捕という事態を受け、公設秘書制度に対する方針なり姿勢をきちんと国民に説明しなければならない。