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自白−冤罪はこうして作られる
http://www.asyura.com/0306/nihon5/msg/731.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2003 年 7 月 14 日 06:52:40:KqrEdYmDwf7cM

(回答先: Re: 取調室の深い闇 投稿者 RootC 日時 2003 年 7 月 13 日 19:51:46)

http://www.asyura.com/sora/bd11/msg/751.html

 免田さんは取り調べの様子について、次のように述べている。

 やがて夜になりました。否認し続ける私は、いつの間にか、冷える床板の上に正
座させられていました。夜が更けるにつれて寒さは厳しさを加え、シャツ一枚の私
の肉を突き破って骨までしみ通るばかりでした。おまけに、不眠四日目の夜です。
体の硬直が、頭のてっぺんと足の両方から体中に広がって、声もでない状態になり
ました。
 意識が次第にもうろうとなって、倒れそうになったりすると、刑事たちは、いき
なり私の耳を引っ張ったり、頭を殴ったり、膝に両足をかけてゴリゴリとゆすった
りしました。

 「こんなにして取り調べられるのは、おまえも苦しいだろう。早く白福殺しを自
白して、悪かったとあやまれ」「馬鹿な奴だ。さっさと白状すれば、楽になるん
だ」
 次第に遠くなるような意識の中で、私は刑事達が口汚くまくし立てるのを、いく
度か聞きました。そのへんが、私の耐えられる精神的、肉体的限界だったようで
す。


 ここで誤認逮捕された被疑者の心境を推察してみて欲しい。ある日突然逮捕され
日常生活から切り離されて留置場という非日常的空間に閉じ込められ、そこでいつ
終わるともしれぬ過酷な取り調べを受ける。頭ごなしに犯人と決めつけられ、いく
ら無実を主張しても警察はまるで取り合ってくれない。正に悪夢である。こんな悪
夢が何時間も続くうちに、被疑者はこの苦しみから逃れるためには「自白」する以
外にないと思い込まされてしまう。
 「3日」で自白した、「4日」で自白したと聞けば、ああ、あっさり犯行を告白
したな、と我々は思う。しかし被疑者にとってのこの「3日」「4日」というの
は、我々の日常生活における「3日」「4日」と同じではないことはお分かり頂け
るだろう。我々も苦痛を味わっている時には、1時間が何日間にも感じられるもの
だ。警察の取り調べで被疑者が感じている苦痛も、ちょうどこのようなものなのだ
ろう。しかも彼らは、いつ取り調べが終わるのかという時間的見通しも持てず、こ
の苦しみが永遠に続くのではないかと思ってしまう。そしてこの苦しみから逃れる
唯一の方法として被疑者に提示されるのが、自白なのである。彼らが虚偽自白に陥
ってしまうのも無理はない。
 また、取り調べる側も被疑者のこのような人間的弱さを熟知しているのだ。ある
ベテラン刑事は言う。

 人間はな、そんなに強いもんではないよ。細かな所はどうでもいい、キメ手など
は出さんでもいい、ただ殺しを自供させてくれ、と被疑者をあてがわれれば、3人
でも4人でも同じように自白させてみせるよ。今どきそんなことが、という顔をし
ているナ。何ならやってみるか。お前さんでもいいよ。お前んとこは刑事の手の内
を多少聞きかじっているから、少しゆとりを見て、そう3日でいい。3日あった
ら、お前に殺人を自白させてやるよ。3日目の夜、お前は、やってもいない殺人
を、泣きながらオレに自白するよ。右のとおり相違ありません、といって指印も押
すよ(『自白−冤罪はこうして作られる』風煤社)

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