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長崎市北部にあるゲームソフト店で、無料ゲームにのめり込む少年たちがいた。その一人が種元駿(しゅん)ちゃん(4つ)誘拐殺人事件で、補導された中学一年の男子生徒(12)だった。
小学五年生ごろから事件直前の六月末まで、平日のほぼ毎夕、学校帰りに友人と通った。スポーツと縁がなく、運動が苦手だった生徒だが、遊ぶのは決まって野球ゲームだった。
「自ら実況中継し、盛り上がるとかなきり声を上げる。よく注意したので印象に残っている」。店員がそう言った。
小学校高学年のころ、自宅にいるはずの午後十時ごろになっても戻らず、心配した家族が学校に連絡して大騒ぎになったこともある。生徒は近所にある別のゲームソフト店のゲームコーナーにいた。
生徒が駿ちゃんに声を掛け、連れ出したのも家電量販店のゲーム機売り場だった。
■「わがままを」
「成績はトップクラス」「礼儀正しく優しい子」。学校や地域住民が描く生徒の人物像は優等生そのものだ。
しかし、生徒には別の顔があった。同級生らは「友人からからかわれると怒鳴ったり、騒いで教室を走り回ったりすることがあった」と証言する。近くに住む小学六年の男児も「突然、怒りだして後ろから殴られたことがある」と振り返った。
「頭はいいけど、キレると怖い」。同級生たちの声に配慮してか、学校側も生徒がクラスで孤立しないようにまとめ役を任せていたという。
生徒の親の知人によると、生徒は幼稚園に入って間もないころ、よくかんしゃくを起こした。遊びでも、おもちゃでも思い通りにならないと、ハサミを振り回したり、声を荒らげたりした。
たしなめる保育士に親は不満をあらわにした。「子どものわがままを優先させてほしい」。当時四歳の生徒は、入園から約八十日で別の幼稚園に移った。
■ベンチに1人
男子生徒の自宅近く。住民の多くが夕方になると、ベンチに一人座る生徒の姿を目に留めている。
「だれかを待っていたのか、何かを考えていただけなのか。とにかくさびしそうにしていた」と住民の一人は言う。
そして、「読書が好きで内向的な性格」(生徒の中学校)の生徒が、近くの広場で小学校低学年の児童たちに交じって和やかに遊ぶ姿もしばしば目撃されていた。「優等生」だった生徒のもう一つの日常だった。
テレビゲームに映し出された仮想の世界。そして、幼い子どもへの強い関心。そこが生徒が心から安心できる場所だったのかもしれない。
小学校卒業時つくった寄せ書きがある。ほとんどの子どもが将来の夢をつづったが、生徒が寄せた言葉は「めげずに頑張りたい」。生徒は胸に何を期していたのか。
卒業から三カ月後。生徒は安らぎを与えてくれた幼い子どもに、残忍な衝動の矛先を向けた。(西日本新聞)
[7月11日2時53分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030711-00000023-nnp-kyu